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2026.08.24(Mon)

「ちょっと詰めますね」混雑した電車にベビーカーの親子が乗ってきた。だが、1人の学生の気遣いで状況が一変

「ちょっと詰めますね」混雑した電車にベビーカーの親子が乗ってきた。だが、1人の学生の気遣いで状況が一変

乗るか迷っていた親子

朝の通勤電車は、駅に着くたびに人が増えていました。私はドアの近くに立ち、鞄を胸の前に抱えながら、降りる駅までじっと揺られていました。

ある駅でドアが開くと、ホームにベビーカーを押した親子が立っていました。

車内はすでに混んでいて、親御さんは中を見ながら、乗れるかどうか迷っているようでした。

ドアの近くにいる人たちもその様子には気づいていましたが、すぐには動けません。

そのとき、すぐそばにいた学生がリュックを前に抱え直しました。

「ちょっと詰めますね」

そう言って一歩奥へ入ると、隣に立っていた人も少し横へずれました。

一人が動いたことで、周囲にも意図が伝わったのでしょう。

大きく場所が空いたわけではありませんが、人が少しずつ位置を変え、ベビーカーが入れるだけのスペースができました。

「すみません、ありがとうございます」

親御さんはそう言いながら、ベビーカーをゆっくり車内へ入れました。

誰かが声を出すと、動きやすくなる

電車が走り出すと、車内はまたいつもの静けさに戻りました。

途中で少し大きく揺れたとき、親御さんが手すりを探すように周囲を見ました。すると近くにいた会社員が、自分の体を少しずらしながら声をかけました。

「ここ、つかまれますよ」

親御さんは「ありがとうございます」と答え、片手で手すりを握りました。

それ以上、特別なやり取りがあったわけではありません。周囲の人も、ベビーカーにぶつからないよう少し体の向きを変えながら、それぞれスマートフォンを見たり、窓の外を眺めたりしていました。

しばらくして親子が降りる駅に着きました。

ドアが開くと、近くにいた人たちが自然に左右へよけます。親御さんはもう一度「ありがとうございました」と頭を下げ、ベビーカーを押してホームへ降りていきました。

ドアが閉まれば、空いた場所にはすぐ別の人が立ち、車内は元通りになりました。

けれど私は、一番最初に聞こえた「ちょっと詰めますね」という短い言葉を覚えていました。

混雑した場所では、周りも助けたいと思っていても、どう動けばいいのか分からないことがあります。あの朝は、一人が声に出したことで、ほかの人も自然に動きやすくなったように見えました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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