情報通ママ「あの人、子ども放置で共働きらしいよ」噂をばらまく女→保護者会で一喝され黙り込んだ
耳に入ってくる噂話
幼稚園のママ友の中に、誰よりも事情に通じている人がいた。どの家が共働きで、どの子がどこの習い事に通っているか、聞いてもいないのに教えてくれる。
「あの人、子ども放置で共働きらしいよ」
送り迎えのたびに、その人はそんな噂を耳打ちしてきた。
「そうなんですか」
「ここだけの話だけどね」
毎回「ここだけの話」と前置きされるのに、その話はいつの間にかグループ中に広まっている。少しずつ、引っかかりを覚えるようになっていた。
告げ口の本当の狙い
あるとき、その人は私にこう吹き込んできた。
「同じクラスのママが、あなたのこと付き合いにくいって言ってたよ」
気になって、名指しされた相手に確かめてみると、答えはまるで違った。
「そんなこと言うわけないよ。誰がそんな話を?」
「あの情報通の人です」
「やっぱり。私もあの人から、あなたが私の悪口言ってたって聞かされたの」
つまり双方に「相手があなたを悪く言っていた」と告げ、仲を引き裂こうとしていたのだ。そうして人間関係をかき回し、自分だけが情報を握る立場でいたかったらしい。
「他のママにも、似たようなこと言ってるみたいだよ」
「うちもそう。あの人から聞いた話、後で全部嘘だったってこと、何度かあった」
確かめてみると、被害に遭っていたのは私たちだけではなかった。
あちこちで小さな仲違いの火種をまき、その火元にいつも同じ人がいた。
「危うく、お互い嫌い合うところだったね」
確かめずにいたら、と思うと背筋が寒くなった。けれど、その人の噂話癖はおさまらなかった。
保護者会での一喝
その日の保護者会でも、その人は開始前から噂話に花を咲かせていた。誰かの家庭の事情を、得意げに語り始める。そのときだった。
「本人がいないところで、そういう話はやめましょう」
普段は物静かなママが、きっぱりと言い切った。和やかだった場が、一瞬で静まり返る。情報通のママの笑顔が、ぴたりと固まった。
「私はみんなのために、教えてあげてただけで……」
か細い声で言い訳しかけたが、続きは出てこない。周りを見回したその人の目に映ったのは、無言でうなずく他のママたちの姿だった。
「実は私も、ずっとそう思ってたんです」
「噂を聞かされるの、しんどかったよね」
賛同の声が次々と重なると、その人はとうとう何も言えなくなり、視線を落としたまま黙り込んでしまった。
それきり、噂話はぱたりとやんだ。皆が当たり障りのない距離を取るようになり、いつも輪の中心にいたその人は、気づけば隅で一人、所在なげにしていた。
あの一言が、潮目を完全に変えたのだ。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














