値引シールを別の商品に勝手に貼ろうとする客。「はがして貼り替えないでください」と店員が注意した結果
値引きシールが貼られるたび、同じ人が動いていた
夕方のスーパーで、私は総菜売り場を見ていました。
ちょうど値引きのシールが貼られ始める時間で、ケースの前には何人かのお客さんが集まっていました。
その中に、一つの総菜を手にしたまま、売り場を行ったり来たりしている方がいました。
店員が別の商品にシールを貼ると、持っていた総菜をいったん棚へ戻し、しばらくしてまた手に取ります。それを何度か繰り返していました。
「これはまだ貼らないの?いつ安くなるの」
店員にそう尋ねる声も聞こえました。私は少し気になりましたが、買い物客の自分が口を出すことでもないと思い、そのまま商品を選んでいました。
やがて、その方が値引きシールの付いた別の総菜を手に取りました。
次の瞬間、そのシールの端に指をかけ、ゆっくりとはがし始めたのです。
そして、もう片方の総菜へ貼ろうとしているように見えました。
店員は近づくと、短く声をかけた
そこへ、値引き作業をしていた店員が戻ってきました。
手にはシールを貼る機械を持ったままです。店員はその方の手元を確認すると、近くまで歩いてきました。
「その総菜のシールは、はがして貼り替えないでください」
声を荒らげることもなく、必要なことだけを伝えるような言い方でした。
その方は手を止めました。
「あ、そう」
そう返すと、浮きかけていたシールを指で押さえて元に戻しました。そして値引きされていたほうの総菜だけをかごへ入れ、その場を離れていきました。
店員もそれ以上追いかけたり、長く注意したりはしませんでした。相手がシールから手を離したことを確認すると、そのまま次の商品へ値引きシールを貼り始めました。
すぐに、売り場にはシールを貼る機械の音が戻ってきました。
私は少し離れたところから、その様子を見ていました。
もっと揉めるのではないかと身構えていたので、あまりに短いやり取りで終わったことが意外でした。
強い言葉を使わなくても、してはいけないことをはっきり伝えれば、それだけで済む場面もあるのだと思います。今でも夕方の総菜売り場へ行くと、あの店員の落ち着いた声を思い出します。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














