「あんた貯金ないでしょ」父の葬儀の場で信じられない発言をする従姉妹。だが、私が明かした事実に言葉を失った
父の四十九日前、親戚の会食
父が亡くなって3日後、四十九日の段取りを決めるため父の実家に親戚が集まった。
50代の独身で一人娘だった私は、子どもの頃から面倒を見てくれた叔父叔母たちに頭を下げて回っていた。
その輪の中に、専業主婦の従姉妹が割り込んできた。父が元気だった頃は穏やかな顔をしていた人が、棺を見送った日から別人のようになっていた。座布団に腰を下ろすなり、私の湯呑みに自分の急須からお茶を注いで、上目遣いに口角を上げる。
「あんた貯金ないでしょ」
「親に守られてただけの一人娘が、これから一人で生きていけるわけないじゃない」
父の遺影の前で、声を抑える気もない言い方だった。
場の空気が一瞬で凍りつき、叔母たちが箸を止めた。隣の叔父が咳払いをしたが、従姉妹は気にも留めずに続けた。
(今、ここで言うことかしら)
親戚一同の前で広げた試算表
「お金のリテラシーないって、私が一番分かってるから言ってあげてるのよ」
従姉妹は得意げに続けた。
父の遺影が見守る座敷で、その声だけがやけに大きく響く。
ただ、私が明かした事実に従姉妹は表情が固まりました。
「20年前から毎月、積立投資を続けてるの」
「父の相続も生前から税理士と一緒に設計してあって、今日その分割案を持ってきた」
従姉妹が出した声は、最初の威勢とは別物だった。
「え、待って、なんで……」
「あんた、そんなの、いつから」
誰も助け舟を出さなかった。
父の遺影の前で誰よりも大きな声を出していた人が、その遺影に背を向ける形で黙り込んだ。
立場が入れ替わった食事会の終わり
隣の席の叔父が自分の湯呑みを置き、一拍おいて私に向き直った。
「うちの娘にも教えてやってくれないか」
叔母も身を乗り出してきた。
「実は私も、夫の年金だけじゃ心細くて」
親戚の輪は自然と私の側に集まり、従姉妹は箸を置いて先に席を立った。
父の遺影が、いつもより穏やかに見えた気がする。その後の法要で、従姉妹は私と目を合わせなくなり、離れた席で小さく座っていた。
「ちゃんと言えて、よかったです」
叔母にだけ、小さく返した。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














