「もう再婚は考えてないの?」5年ずっと隠していた彼の存在。私が最後まで言わずに帰った理由
親戚の家へ向かう前に
正月、久しぶりにいとこの実家へ顔を出すことになりました。
出かける準備をしていると、5年ほど付き合っている恋人から電話がかかってきました。
「今日、親戚の家に行くんだよね」
「うん。あそこに行くの、かなり久しぶり」
少し間を置いて、彼が聞きました。
「俺のこと、話したりする?」
「たぶん話さないかな」
私は離婚を経験しています。
その後に彼と出会い、気づけば長い付き合いになりました。
家族の一部には彼の存在を話していますが、親戚にはほとんど話していません。
隠したいわけではなく、必要がないうちは自分から広めたくないと思っていたからです。
「誰か紹介しようか」と始まった話
いとこの家では、伯母がお茶とお菓子を用意してくれていました。
近況や仕事の話をしているうちは、久しぶりの親戚の集まりらしい穏やかな時間でした。
ところが、話題が結婚のことに移ります。
「もう再婚は考えてないの?」
伯母に聞かれ、私は笑って答えました。
「今のところは特に考えてないですね」
すると伯母は、悪気のない様子で続けます。
「いい人はいないの?私の知り合いにも独身の人いるし、紹介しようか」
「大丈夫ですよ」
それでも話は終わりませんでした。
「一人でいるより誰かいたほうが安心でしょう。○○ちゃんも再婚したしね」
台所にいたいとこが「まあ、そのへんは本人の好きにしたらいいじゃない」と笑いながら話を変えてくれました。
私はそのとき、彼のことを言おうか少し迷いました。
「実は付き合っている人がいるんです」と言えば、この話はすぐ終わります。
けれど同時に、「何歳?」「仕事は?」「結婚するの?」「いつ紹介してくれるの?」と、次の質問が続く様子も簡単に想像できました。
伯母に悪意があるわけではありません。ただ、まだ自分たちの間でも決めていないことまで、親戚の話題にしたくありませんでした。
「まあ、縁があればそのうちですね」
私はそう答えて、お茶を飲みました。
言わなかったことを後悔しなかった
夕方、家を出ると、少し離れた場所に見慣れた車が停まっていました。
彼が迎えに来てくれていたのです。
助手席に乗ると、彼が聞きました。
「どうだった?」
「再婚しないのって聞かれた。それから、誰か紹介しようかって」
「俺のことは?」
「言わなかった」
彼は一瞬だけこちらを見て、それから笑いました。
「質問攻めにされそうだった?」
「うん。言ったら今度は、結婚するのかとか仕事は何してるのかとか、全部聞かれそうで」
「それなら別にいいよ。話したくなったときで」
その言葉を聞いて、少し肩の力が抜けました。
5年間付き合っているからといって、すべての親戚に伝えなければならないわけではありません。
大切な人だからこそ、誰に、いつ、どこまで話すのかは、自分たちで決めたい。
その日、私は恋人の存在を最後まで言いませんでしたが、それでよかったと思っています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














