「え、50万円って何の話ですか?」妹に結婚資金を貸した僕。だが、義弟の反応で食卓の空気が変わった
妹に渡した50万円
妹が結婚することになったころ、僕は結婚資金として50万円を貸しました。
妹から頼まれて用意したお金でしたが、僕にはご祝儀の気持ちもありました。もし返ってこなくても、それはそれでいいと思っていたのです。
ただ、封筒を受け取った妹の言葉だけは、少し引っかかりました。
「50万円くらい、いいじゃない。お兄ちゃんなんだから」
ありがとうの一言もなく、妹はそのまま50万円を受け取りました。
思うところはありましたが、これから結婚する妹にわざわざ言うことでもないと思い、その場では何も言いませんでした。
それから妹から返済の話が出ることもなく、2年がたちました。
「50万円って、何の話ですか?」
妹が結婚して2年がたった秋、僕は妹の家に食事に呼ばれました。
妹とは年に数回会う程度で、家に招かれたのは結婚してから初めてでした。
義弟が焼いてくれた魚を囲みながら話しているうちに、自然と結婚したころの話になりました。
義弟が僕のほうを向いて言いました。
「あの頃、お義兄さんにもいろいろ助けてもらったんですよね」
「助けたってほどじゃないよ。50万円で足りたなら、それでよかった」
すると、義弟の手が止まりました。
「え……50万円って、何の話ですか?」
僕は思わず妹を見ました。
妹は台所に立ったまま、こちらを振り向きません。
そこで初めて、僕は義弟が50万円のことを何も知らなかったのだと気づきました。
義弟はしばらく黙ったあと、湯のみを静かに置きました。
「……すみません。ちょっと二人で話してもいいですか」
そう言って、僕に頭を下げました。
数日後、義弟が持ってきた封筒
数日後の夜、玄関のチャイムが鳴りました。
立っていたのは義弟一人で、手には茶色の封筒を持っていました。
「妻から全部聞きました。何も知らなくて、すみませんでした。これ、最初の分です」
封筒の中には5万円と、便せんが1枚入っていました。
そこには、毎月5万円ずつ10回で返すことと、10か月分の日付が手書きで並んでいました。
「そこまでしなくていいよ。お祝いのつもりもあったんだから」
僕が言うと、義弟は首を横に振りました。
「二人で返させてください。妻から言い出したんです」
義弟によると、妹は自分が50万円を当然のように受け取り、きちんとお礼も言わなかったことを後悔していたそうです。
「お兄ちゃんにちゃんと謝りたいって言ってました」
義弟が帰ったあと、テーブルに置いていた携帯が短く震えました。
妹からのメッセージでした。
「お兄ちゃん、ありがとう。ごめんね」
その下には、「来月は私が持っていくね」と書かれていました。
50万円を渡してから2年。僕がずっと聞けずにいた言葉が、ようやく届きました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














