「客に分かるようにしとけよ」と数分続いた怒鳴り声…震える店員を前に僕が声をかけた理由
昼前のコンビニで止まったレジ
三十代の僕は、外回りの途中で昼前のコンビニに立ち寄りました。
自動ドアの横には白い紙が一枚貼られていて、いくつかの商品について、本日から価格が変わるという案内が書かれていました。
僕はそれを横目で確認し、飲み物を一本持ってレジへ向かいました。
列には3〜4人が並んでいて、僕のすぐ前は五十代くらいの男性でした。
その男性の会計が始まった直後、突然、大きな声がしました。
「おい、昨日はこの値段じゃなかっただろ」
若い女性店員さんが、少し驚いた様子で答えます。
「申し訳ありません。こちらの商品は、本日から価格が変わっておりまして…」
「そんなの知らないよ。20円も違うじゃないか」
店員さんが説明しても、男性は納得しません。
「だったら、客に分かるようにしとけよ」
男性はカウンターを指でたたきながら、何度も同じような言葉を繰り返しました。
入口の貼り紙を見ていた僕は
列はまったく進まず、後ろに並んでいた人たちも黙ったままです。
店員さんは謝りながら対応していましたが、バーコードを扱う手が震えているのが見えました。
そこで僕は、店に入ったときに見た貼り紙を思い出しました。
男性を責めたいわけではありません。ただ、僕が実際に見たことなら伝えられると思い、後ろから声をかけました。
「あの、入口の横に価格変更のお知らせ、貼ってありましたよ。僕も入るときに見ました」
男性が振り返ります。
「…貼ってあった?」
「はい。自動ドアのすぐ横です」
すると奥から店長が出てきました。店長は男性に会釈すると、入口のほうを示しました。
「価格の変更については、入口のお知らせでもご案内しています」
男性はまだ納得できない様子で、「でも、こんなの分かりにくいだろ」と返しました。
店長は声を荒らげることなく、落ち着いて答えます。
「分かりにくかった点は申し訳ありません。ただ、本日からはこちらの価格でお願いしております」
男性はしばらく黙っていましたが、それ以上は何も言いませんでした。小銭をトレーに置いて会計を済ませると、そのまま店を出ていきました。
会計が終わったあとに聞こえた言葉
男性がいなくなると、止まっていた列がようやく動き始めました。
店長は女性店員さんに、「大丈夫。ちゃんと説明できてたよ」と短く声をかけました。
やがて僕の番になりました。
店員さんはまだ少し緊張した表情をしていましたが、会計を終えると僕を見て言いました。
「ありがとうございました」
僕も軽く会釈を返しました。
たった一言でしたが、入口の案内を実際に見ていた自分が伝えたことで、少しでもその場が落ち着いたのならよかったと思いました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














