「うちの寝室が、ちょうど煙の通り道なんです」窓へ流れてきた近所のBBQの煙。だが、注意したあと、我が家を訪ねた人が持ってきたのは
窓を開けるたびに気になった煙
一戸建てに住んで20年近くになりますが、この夏ほど夜に窓を閉めて過ごしたことはありませんでした。
近所の家の庭で、週末になるとバーベキューが開かれていたからです。
その家には40代くらいの夫婦と子どもたちが暮らしていて、庭からは楽しそうな声が聞こえてきました。
それ自体が嫌だったわけではありません。ただ、風向きによっては白い煙がうちの寝室の窓まで流れてきます。
夜遅くまで続くこともあり、何度かご主人に困っていることを伝えましたが、状況はなかなか変わりませんでした。
そこで僕は、煙が気になった日と時間、風向きをひと月ほどメモに残しました。
そして、その紙を持って70代くらいの町内会長さんを訪ねたのです。
「拝見します。ずいぶん細かく書いてありますね」
「風下のうちの窓に煙が流れてくる夜が、月に4度くらいあって…」
会長さんはメモに目を落としながら、「それは困りますね」と言いました。
「責めたいわけじゃないんです。子どもさんたちも楽しそうですし。ただ、夜は窓を開けて過ごしたくて」
会長さんは少し考えてから、町内会でも話してみると言ってくれました。
回覧板に書かれていた夜9時のお願い
その後の集まりで、庭でバーベキューなどをするときは夜9時までを目安に片づけること、煙が周囲の家へ流れないよう場所にも気をつけることを、町内会全体へお願いすることになりました。
数日後、僕は会長さんと一緒にその家を訪ねました。
「うちの寝室が、ちょうど煙の通り道なんです」
僕が伝えると、ご主人は少し驚いた顔をしました。
「…寝室の窓まで行ってたんですね。そこまでは気づいてませんでした」
隣にいた奥さんも頭を下げました。
「コンロ、庭の反対側に移しますね。夜9時には片づけます」
「そうしてもらえると助かります」
次の週末にも、その家の庭から子どもたちの笑い声が聞こえてきました。ただ、コンロの場所が変わったためか、以前のように煙が窓へ流れ込んでくることが少なくなりました。
夜9時ごろには片づけも始まり、しばらくすると庭は静かになりました。
そのあと、ご主人が焼いた肉を少し持ってきてくれました。
「よかったら。焼いたぶんです」
僕は礼を言って受け取り、久しぶりに居間の窓を大きく開けました。涼しい夜風が入ってきたとき、ようやくいつもの夏の夜が戻ってきたように感じました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














