「あの音で目が覚めるんだ」深夜に響く車の爆音に悩んだ私。1週間後、訪ねてきた若い男性
夜中に響く「ブオン」という音
夜11時すぎ、布団に入ってうとうとしかけたころでした。
外から突然、「ブオン」と大きなエンジン音が響きました。
僕は思わず目を開け、胸に手を当てました。50代になった今でも、突然の大きな音にはなかなか慣れません。
音の主は、近所を走る車のようでした。早朝に聞こえることもあれば、深夜のこともあります。窓を開けて外を見ても、そのころにはもう車の姿はありませんでした。
翌朝、妻に話すと、心配そうな顔をされました。
「ここ最近、週に3回くらいかな。あの音で目が覚めるんだ」
「そんなに?もっと早く言ってくれればよかったのに」
「でも、どこの家の車か分からないんだよ」
すると妻は少し考えてから言いました。
「それなら、町内会長さんに相談してみたら?」
その日の午後、僕は町内会長さんの家を訪ねました。
名指しせず、回覧板で知らせることに
70代くらいの会長さんは事情を聞くと、静かにうなずきました。
「持ち主が分からないなら、誰かを決めつけないほうがいいですね。回覧板で皆さんにお知らせしてみましょう」
数日後に回ってきた回覧板には、一枚の紙が入っていました。
夜間や早朝の大きなエンジン音に困っている人がいることと、心当たりがあれば配慮してほしいという内容です。僕の名前も、特定の車のことも書かれていませんでした。
それから1週間ほどたった日曜、会長さんから連絡がありました。
回覧板を読んだ若い男性が、「自分の車かもしれない」と申し出てきたそうです。
会長さんと一緒に訪ねてきた20代くらいの男性は、少し緊張した様子で頭を下げました。
「回覧板を読んで、たぶん自分の車だと思いました。こんなに音が響いているとは思っていなくて……すみませんでした」
僕は責める気にはなれず、「分かってもらえたなら、それで大丈夫です」と答えました。
男性はもう一度頭を下げました。
「この週末に、マフラーを元に戻します」
久しぶりに朝まで眠れた夜
その週末を境に、夜中の大きなエンジン音は聞こえなくなりました。
ある朝、ゴミ出しに出ると、静かなエンジン音の車がゆっくり通っていきました。運転席には、あの男性がいます。目が合うと、男性は軽く会釈しました。
僕も小さく頭を下げました。
その夜は、久しぶりに朝まで一度も目を覚ましませんでした。
翌朝、妻がお茶をいれながら僕の顔を見て笑いました。
「今日はよく眠れたみたいね」
「うん。久しぶりにぐっすり眠れたよ」
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














