「割り箸は必要な分だけです」束をつかんで帰ろうとした女性客、呼び止めた店員が説明した配布の理由
セルフの割り箸をつかんだ手
店員は必要な分を取る割り箸の置き場を見ています
コンビニで接客をしていた頃のことです。
私の勤務先では、割り箸などをお客様に必要な分だけ取っていただく仕組みになっていました。
会計を終えた方が立ち寄れる場所に置いてあり、私もレジから様子を見ることができました。
お弁当などに使う分を取っていかれるので、普段は特に声をかけることもありませんでした。
ところが、その日、年配の女性が伸ばした手を見て、私は思わず動きを止めました。
女性客は置いてある割り箸をまとめてつかみます
女性は割り箸を片手でまとめてつかんだのです。
必要な分を選ぶというより、とりあえず大量に持っていくような動きでした。
あまりに自然な動きだったので、私はすぐには声が出ませんでした。
見間違いかと思ってもう一度見ても、女性の手にはたくさんの割り箸があります。
そのまま帰ろうとする背中を見て、私はレジから声をかけました。
「お客様、少しお待ちください」
店員は女性を呼び止めて必要な分だけと伝えます
女性が足を止めて振り向きました。
私は、手にしている割り箸のことだと分かるように、言葉を選んで伝えました。
「割り箸は必要な分だけです」
すると女性は、つかんだままの割り箸を見下ろし、平然と答えました。
「置いてあるんだから、いいでしょう」
自由に取れる場所にあれば、好きなだけ持っていってよい。
そんな受け取り方をされているようでした。私は首を横に振りました。
持ち帰る分は自分で決める?
女性客は自宅で使うからよいと店員に答えます
「お買い上げの商品に使う分をお願いします」
私は置き場所を示しながら説明しました。女性は眉を寄せ、手に持つ割り箸を握り直しました。
「家にあれば、使うんだから」
今の買い物で必要かどうかという話が、家でいつか使うかどうかに変わっていました。
その理屈なら、いくらでも持っていけてしまいます。私は、女性の手から取り上げることはせず、返事をしました。
お客様だけが使うわけではありませんと説明します
「お客様だけが使うわけではありません」
女性の手が止まりました。私を見て口を開きかけましたが、続く言葉は出てきません。
それから割り箸へ視線を落とし、つかんでいた束をそっと下げました。
私が黙れば、そのまま持ち帰れたのかもしれません。
けれど、お客様自身で取っていただくことと、数まで無制限にしていることは違います。
私は説明を変えずに、女性の返事を待ちました。
女性客は余分に取った割り箸を置き場へ戻します
「こんなには、いらないわね」
女性はそう言って、余分に取った割り箸を戻しました。私はお礼を伝え、女性が必要な分だけ持って店を出るのを見送りました。
一瞬ぽかんとしてしまった自分にも、できることはありました。大きな声で責めるのではなく、必要な分だけという使い方を伝えればよかったのです。
女性の勢いに押されて黙ることはせず、私はいつものレジへ戻りました。次のお客様を迎えるときには、もう迷いはありませんでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














