「ニットはすぐ縮むんだから」母の忠告を聞かずに洗濯した私。翌週、職場でおしゃれな先輩が真剣に尋ねてきた理由
母の忠告を聞かなかった私
1人暮らしを始めてから、私には洗濯についてひとつの決まりがありました。
洗濯物は全部まとめてドラム式洗濯乾燥機に入れ、乾燥まで一気に済ませることです。
タオルもシャツも、基本的には全部一緒。洗濯表示なんて、まともに読んだこともありませんでした。
そんな私が、初めてのボーナスでずっと欲しかった淡いピンクのニットを買った日のことです。
うれしくなって、その夜、母に電話しました。
「ねえ、ずっと欲しかったニット、やっと買えたんだ!」
ところが母は、私の話を聞くなり洗濯の心配を始めました。
「ちゃんと手で洗いなさいよ。ニットはすぐ縮むんだから」
「えー、大丈夫だって。今の洗濯機はかしこいんだから」
「そういう問題じゃないでしょ。せめてタグくらい読みなさい」
「洗濯物は全部まとめて乾燥機でいいのよ」
母は「もう、知らないからね」とため息をつき、電話を切りました。
私は買ったばかりのニットをハンガーにかけ、洗濯表示を確認することもなく、その日は眠りました。
乾燥機から出てきた、別物のニット
そして週末。
私はいつものように、タオルやシャツと一緒にピンクのニットを洗濯乾燥機へ入れました。
特に何も考えず、いつものボタンを押します。
しばらくして、洗濯終了を知らせる音が鳴りました。
洗面所でしゃがみ込み、ふたを開けて、乾いたタオルをかごに移していきます。
最後にニットを取り出したとき、思わず手が止まりました。
「……え?」
両手で広げてみると、あんなにかわいかったニットが、信じられないほど小さくなっていたのです。
袖も丈も、買ったときの半分ほど。まるで子ども用の服のように見えます。
「うそでしょ……これ、私のニット?」
何度見ても、元には戻りません。
せっかくボーナスで買ったのに、たった一度の洗濯でこんなことになるなんて。
それでも捨てるのは悔しくて、試しに頭を通してみました。
なんとか着られたものの、袖は手首よりずっと上。丈も驚くほど短くなっています。
鏡の前でしばらく悩みましたが、私はそのニットを諦めきれませんでした。
月曜日、上からジャケットを羽織って出勤することにしたのです。
「どこで買ったの?」先輩からの予想外の一言
出勤後、自分の席でジャケットを脱ぐときは、さすがに緊張しました。
絶対に変だと思われる。笑われたらどうしよう。
そんなことを考えていたとき、通りかかった30代の先輩が足を止めました。
職場でもおしゃれで有名な先輩です。
先輩は私のニットをじっと見つめると、目を輝かせました。
「えっ、そのニットかわいい!どこで買ったの?」
「えっ…これですか?」
「うん!その短い丈、今っぽくていいね」
思ってもいなかった反応に、私は言葉を失いました。
すると、近くの席にいた同僚2人まで椅子から立ち上がり、見に来たのです。
「ほんとだ。袖の短さもちょうどいいね」
「ねえ、どこのお店?私も欲しい!」
まさかの大好評です。
でも、どこで買ったのかと聞かれても、今の形はお店で売っていたものではありません。
私は視線を落とし、小さな声で答えました。
「……乾燥機です」
「え?」
「洗濯したら、こんなに縮んじゃって…」
一瞬の沈黙。
次の瞬間、3人が顔を見合わせて大笑いしました。
特に先輩の笑い声は、事務所中に響くほどでした。
私も恥ずかしくなって笑うしかありません。
ところが、その翌週のことです。
先輩がまた私の席にやってきました。今度は笑っておらず、妙に真剣な表情です。
「ねえ、この前のニットなんだけどさ」
「はい?」
「あれって、乾燥機で何分くらい回したの?」
「えっ……何分?」
私は答えられませんでした。いつものように乾燥まで回しただけで、時間なんて確認していなかったのです。
先輩がどうしてそこまで気にしていたのかは分かりません。
ただ、あの失敗したニットを本気で褒めてもらえたことは、今でも忘れられません。
ちなみに、あれ以来、洗濯表示だけは3回確認してから洗濯機のふたを閉めるようになりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※衣類の素材や洗濯表示によっては、乾燥機の使用により縮みや型崩れが生じる場合があります。本記事は乾燥機を使って衣類を意図的に縮めることを推奨するものではありません。洗濯・乾燥の際は、衣類の取り扱い表示をご確認ください。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














