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2026.10.09(Fri)

「俺のこと信じられないの?」起業資金を求めた彼。だが、彼に質問すると、答えられないことばかりだった

「俺のこと信じられないの?」起業資金を求めた彼。だが、彼に質問すると、答えられないことばかりだった

中身を言わずに20万円を求める彼

30代のころ、付き合っていた彼から「大事な話がある」と言われ、仕事帰りに夜のファミリーレストランで待ち合わせました。

向かいに座った彼は、コーヒーを前に何度も座り直しています。

何の話だろうと思っていると、ようやく口を開きました。

「会社を作ることになってさ。20万円、用意してくれないかな」

聞けば、会社の同僚から「一緒にやろう」と誘われたそうです。

「何をする会社なの?」

「それは…まあ、いろいろ。まだ詳しくは言えないんだよ」

私は思わず首をかしげました。20万円を出してほしいと言うのに、何に使うお金なのかさえ分かりません。

仕事でも使っていた黒い表紙の手帳を取り出すと、彼は露骨に嫌そうな顔をしました。

「いちいち書くの?同僚がちゃんと考えてるんだって」

「だって20万円でしょ。何に必要なのかくらい聞きたいよ」

そう返すと、彼は少し身を乗り出しました。

「俺のこと信じられないの?」

声が大きくなり、近くのテーブルの客がこちらを振り返りました。

質問する私がおかしいように扱われたことにも、腹が立ちました。

質問を書くたび、答えに詰まっていく彼

私は言い返す代わりに、手帳を開いてペンを持ちました。

「じゃあ聞くね。同僚と2人で始めるの?」

彼は少し黙ってから答えました。

「…たぶん、2人で」

「20万円は何に使うの?」

「そこは同僚が…」

「その人は、自分ではいくら出すの?」

今度は返事がありませんでした。

ほかにも、どんな形で始めるのか、どうやって仕事を取るつもりなのかと聞きましたが、彼からははっきりした答えが返ってきません。

手帳には質問だけが並び、その横はほとんど白いままでした。

私はペンを置き、手帳を彼のほうへ向けました。

「これだけ聞いても分からないなら、私は20万円は出せないよ。まずあなたが、同僚にちゃんと聞いたほうがいいんじゃない?」

彼は何も言わず、白い欄を見つめていました。さっきまで身を乗り出していた体も、ゆっくり背もたれに戻っていきます。

白い手帳を見て、彼が引っこめた話

しばらくして、彼は小さな声で言いました。

「…もういい。この話はなかったことにする。今の会社で、もう少しやってみるよ」

あれほど強い口調で20万円を求めていたのに、それ以上頼んでくることはありませんでした。

私は手帳を閉じ、会計では自分のコーヒー代だけを払いました。

テーブルには、彼が指先で丸めた紙ナプキンが残っています。

恋人だからといって、お金の理由まで聞かずに信じる必要はない。

店を出たとき、私はそんなことを考えていました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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