「汚い手で触るな」レジで怒鳴った男性。だが、客自身の仕草に思わず言ってしまったこと
指をなめてお札を数えた男性客
5年ほど前、ドラッグストアでレジのアルバイトをしていたときのことです。
週末の夕方で、店内は買い物客で混み合い、レジには10人以上の列ができていました。
舌打ちをしながら順番を待っていたのは、60代くらいの男性です。自分の番になると、かごをレジ台に置き、私をにらむようにして言いました。
「ずいぶん待たせるな。もっと早くできないのか」
「お待たせして申し訳ございません。2380円になります」
男性は長財布を開くと、人さし指を口元へ持っていき、指先をなめながらお札をめくっていました。
やがて5千円札を取り出し、私に差し出します。
私はそれを受け取り、2620円のお釣りと袋を渡しました。
そのとき、私の指先が男性の手にほんの少しかすってしまいました。
すると男性はさっと手を引きました。
「触るなよ。汚いだろ」
「申し訳ございません」
すぐに謝りましたが、男性は納得しません。
「不潔だろ、店員なら手袋くらいしろ」
さらに「店長を呼べ」「教育がなってない」と大きな声が続きました。
後ろのお客さんたちの視線も集まり、私はレジ台の下で手をぎゅっと握っていました。
店長の前でも繰り返した仕草
しばらくして、裏の倉庫から店長が来ました。私の横に立ち、まず男性の話を聞きます。
男性は受け取ったお釣りを手にしながら、興奮した様子で訴えていました。
「こんな触り方されたら気分悪いだろ」
そう言いながらお札を数え直そうとした男性は、また人さし指を口元へ運びました。指先をなめ、そのままお札をめくったのです。
店長はその手元を見てから、静かに声をかけました。
「お客様、いま指をなめてお札をめくられましたよね」
男性の手が止まりました。
店長は続けます。
「このスタッフは、そのお札を素手で受け取っています」
男性はお札を持ったまま黙り込みました。
すると列の中ほどにいた年配の女性が、小さな声で言いました。
「どっちが不潔なんだか」
その言葉が聞こえたのか、男性は顔を赤くしました。周囲から笑いをこらえるような声も聞こえます。
男性はそれ以上何も言わず、袋をつかむと早足で出口へ向かっていきました。
店長は私を見ると、声を落として言いました。
「手、洗っておいで。次は私がやるから」
その一言で、張りつめていた力がようやく抜けました。私は店長に頭を下げ、手を洗うためにレジを離れました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














