「お年玉の額が違うなんて、聞いてないぞ」子どものお年玉をめぐり怒る兄。だが、母の古い手帳を見て言葉を失った理由
正月、兄が気づいたお年玉の金額差
私には2つ上の兄がいます。
先に結婚して子どもが生まれたのは私で、兄がまだ独身だったころから、私の子どもたちにお年玉をくれていました。
そのころ、子どもの年齢によってお年玉の額を決めたのも兄でした。
今では兄にも小学生の子が2人います。毎年、お年玉は兄と私がそれぞれ母に預け、母がまとめて子どもたちへ渡すのが恒例になっていました。
今年の正月も、昼ごはんのあと、母がこたつの上にぽち袋を並べていました。
兄と私は向かい合って座り、子どもたちは奥の部屋でゲームをしています。
母が袋の中身を確認していると、兄が何気なく聞きました。
「今年、いくらずつ入れてるんだ?」
母は手を止めずに答えます。
「小学生は3千円ずつ。中学生は5千円ずつよ」
私の子どもは2人とも中学生で、兄の子どもは2人とも小学生です。
すると、それまで普通に話していた兄の表情が変わりました。
「え?お年玉の額が違うなんて、聞いてないぞ」
「前からこの金額だったよ」
私がそう返すと、兄は納得できない様子でこちらを見ました。
「だって、こっちは5千円ずつ出してるんだろ?1人2千円ずつ足りないじゃないか。今ここで足してよ」
急に強い口調で言われ、私はむきかけのみかんを手にしたまま言葉に詰まりました。
母が出してきた古い手帳
すると、黙って聞いていた母が立ち上がりました。
居間の棚の引き出しから、表紙の色があせた古い手帳を取り出し、こたつへ戻ってきます。
そして、あるページを開いて兄の前に置きました。
「これ、覚えてない?」
兄は黙ったまま、手帳に目を落としました。
母はページを指さしながら読み上げます。
「『小学生は3千円、中学生からは5千円。決まりにしておけば、もめない』って。これ、あなたが言ったときに書いておいたのよ」
兄は何も言わず、手帳を見つめました。
「あなたの子たちが中学生になったら、この子も5千円ずつ出す。それまでは同じ決まりでいいでしょう」
母が静かに続けると、兄は少し気まずそうに視線をそらしました。
「…そんな前のこと、覚えてなかった」
それだけ言うと、それ以上お金を足せとは言わず、湯のみを持って台所へ立っていきました。
母は手帳を棚へ戻しながら、私にだけ聞こえるくらいの声で言いました。
「書いておいて、よかったわね」
私は思わず苦笑いしました。兄が決めたはずのルールが、年月がたって自分の側に当てはまったとき、こんな形で確認することになるとは思ってもいませんでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














