息子「議事録係です。よろしくお願いします」→突然始まった家族会議、発端は私の誤送信だった
送信した直後、家族のグループだと気づいた
今から3年前、40代だった私は、夜まで会社に残って翌日の会議の準備をしていました。
気づけば窓の外はすっかり暗くなっています。
上司からは、会議の開始時間が決まったら知らせるように言われていました。会議室の予約を確認すると、空いていたのは10時からの枠だけでした。
私は携帯電話を開き、明日の会議が10時からになったことを伝える短いメッセージを打ちました。
そして、ほとんど確認せずに送信。
ところが、送った直後に画面を見て手が止まりました。
送り先は上司ではなく、妻と中学生の息子と私の3人で使っている家族のグループだったのです。
慌てて取り消し操作をしましたが、その直前に妻から返信が届きました。
「了解しました。明日の会議、10時ですね」
続いて、息子からも届きます。
「10時の会議、議事録も作ります」
二人とも完全に面白がっているのが伝わってきて、私は会社の机で思わず笑いそうになりました。
上司には改めて正しい内容を送り直し、家に帰るころには「明日になれば、もうこの話も終わっているだろう」と思っていました。
翌日の食卓で、本当に会議が始まった
次の日の夜、家に帰ると、食卓には夕飯が並び、妻と息子がすでに席に着いていました。
二人とも昨夜の誤送信には触れません。私も何も言わず、いつものように席に着きました。
すると妻が急に背筋を伸ばし、少しかしこまった声で言いました。
「それでは、会議を始めます」
見ると、息子はノートを開き、ペンまで持っています。
「議事録係です。よろしくお願いします」
どうやら昨夜の話は、まったく終わっていなかったようです。
妻が持ち出した議題は、「日曜日にどこへ出かけるか」でした。
二人が真面目な顔でこちらを見るので、私も笑いをこらえて姿勢を正しました。
「では……山のほうの公園を提案します。お弁当つきで」
妻が息子に目を向けます。
「異議はありますか」
息子はノートに何かを書きながら答えました。
「ありません」
こうして日曜日の予定はあっさり決定しました。
そこで私は、つい仕事の調子で言ってしまったのです。
「じゃあ、細かいことは明日の会議で」
その瞬間、妻と息子が同時に吹き出しました。
「明日の会議」が、わが家の合言葉に
それ以来、わが家では「明日の会議」がちょっとした合言葉になりました。
家族で何かを決めるときには妻が「それでは、会議を始めます」と言い、息子がノートを開きます。
議事録係は一度も交代していません。ノートはもう3冊目で、表紙には息子の字で「会議録」と書かれています。
上司への連絡を間違えて家族に送ったときは、ただ恥ずかしいだけの失敗だと思っていました。
それが今では、家族で笑える思い出のひとつです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














