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2026.10.04(Sun)

「どうして店長がいないのよ」約束していた常連客。だが、現れた店長が時計を示した理由

「どうして店長がいないのよ」約束していた常連客。だが、現れた店長が時計を示した理由

「明日、2時に来るから」と言った常連客

これは40代の私が、百貨店の婦人服売り場に立っていたころの出来事です。

売り場には、ほとんど毎日のように顔を出す60代くらいの女性の常連客がいました。

値の張る服をよく身につけていて、機嫌が悪いと店員に強い口調で話すこともある人でした。

ある日、その女性がレジのカウンターへやってきました。

「明日は試着したいの。店長に選んでもらいたいから、2時に行くって伝えておいて」

「かしこまりました。店長に伝えておきます」

女性が帰ったあと、私はすぐ店長に伝えました。

店長も「わかりました」とうなずき、翌日の予定表に時刻を書き込みました。

ところが翌日、女性が売り場に現れたのは3時でした。

そのとき店長は、試着室で別のお客様を接客していました。

女性はカウンターに来るなり、私に聞きました。

「店長は?」

「申し訳ございません。ただいま別のお客様を接客しております」

すると女性は眉をひそめました。

「え?昨日ちゃんと伝えたわよね。2時に来るって」

「はい。店長にもお伝えしております」

「だったら、どうしていないのよ。店長を呼んで」

次第に声が大きくなり、売り場にいたほかのお客様もこちらを振り返りました。

私はどう返せばいいのか分からず、緊張で手に力が入っていました。

店長が指した柱の時計

ほどなくして、接客を終えた店長が試着室のほうから戻ってきました。

女性は店長を見ると、すぐに言いました。

「私、2時に来るって昨日伝えたのよ。なのに、ずっと待たされるなんておかしいでしょう」

店長は落ち着いた様子で答えました。

「はい。ご伝言は、この者から確かに聞いております」

そして、少し間を置いて続けました。

「ですので、2時から2時半ごろまで、こちらでお待ちしておりました」

女性は一瞬黙りました。

店長は売り場の柱にかかった時計へ目を向けました。

「ただ、今は3時でございます」

女性も時計を見上げ、そのまま言葉を止めました。

「このあとも接客の予定が入っておりますので、本日はすぐにご案内するのが難しい状況です。次回は、お約束のお時間にお越しいただければと思います」

女性はしばらく黙っていましたが、それ以上は何も言わず、そのまま売り場を出ていきました。

女性がいなくなったあと、店長は私に声をかけてくれました。

「昨日、ちゃんと伝えてくれていたから大丈夫ですよ。ありがとう」

その一言を聞いて、ようやく肩の力が抜けました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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