「カラスが来るのは私のせいじゃない」夜にゴミを出し続けた女性。だが、破れた袋の封筒を見て黙った瞬間
毎朝ほうきを持つのは当番の住人
30代の僕が住む住宅街には、通り沿いに小さなゴミ集積所があります。
ゴミは収集日の朝に出す決まりで、掃除は住人が1週間ずつ当番の札を回して受け持っています。
夏のある朝、集積所へ行くと、破れた袋から野菜くずや紙が散らばっていました。
前の晩、帰宅したときに、近所に住む40代くらいの女性が袋を置いていくところを僕は見ています。
片付けていると、その女性が駅へ向かって歩いてきました。
「すみません。ゴミって、当日の朝に出す決まりですよね」
そう声をかけると、女性は足を止めました。
「朝は忙しいのよ。夜に出したって、そんなに変わらないでしょ」
その後、町内会から注意の紙が回覧されましたが、夜の集積所にはまたゴミ袋が置かれるようになりました。
翌月、散らかった集積所の前で再び女性と顔を合わせ、僕はもう一度頼みました。
「夜に出すと、朝までに袋が破られてしまうんです」
すると女性は、少しいら立った様子で言いました。
「前の晩に出して何が悪いの。5時間くらい早いだけでしょ」
「でも、その間にカラスに荒らされてます」
女性は散らばったゴミを見て、すぐに返しました。
「それはカラスのせいでしょ。私に言われても困るわ」
その週の掃除当番は僕でした。朝になるたび、散らかったゴミを拾ってから出勤する日が続きました。
会長が手渡した当番の札
翌週の朝、袋を持って集積所へ向かうと、また破れたゴミ袋の中身が道に広がっていました。
僕が足を止めていると、あとから来た住人2人も困ったように集積所を見ています。
そこへ、70代くらいの町内会長が当番の札とほうきを持ってやってきました。
ちょうど例の女性も通りかかります。
「おはようございます。今週、当番ですよ」
会長が声をかけると、女性は時計を気にしながら答えました。
「急いでるんです。あとじゃだめですか?」
会長は女性に札とほうきを差し出しました。それから、破れた袋を指します。
「それと、この袋なんですが。中にお宅のお名前が書かれた封筒が見えています」
女性は足元の袋を見ました。破れ目から出た封筒の宛名を確認すると、さっきまでの勢いが止まります。
「夜のうちに出すと、こうやって散らかって、当番の方が片付けることになります。今週はお宅の番ですから、お願いしますね」
女性はしばらく黙っていましたが、やがて札とほうきを受け取り、散らばったゴミを掃き始めました。
僕も自分の袋をネットの下へ入れ、その場をあとにしました。
それ以来、前の晩にあの女性がゴミを置いているところを見ることはありませんでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














