「だから泡が出なかったのね」赤ちゃん用の保湿液を石けんと思った祖母。成長した娘から言われた忘れられない一言
夕食のあとに始まった昔話
先日、娘を連れて実家に帰り、家族で夕食を囲んだときのことです。
食後のお茶を飲んでいると、母が棚に置いてある保湿液のボトルを見て、ふふっと笑いました。
祖母もそれを見て、つられるように笑います。
「なに?なんで二人とも笑ってるの?」
不思議そうにする娘に、私は言いました。
「あなたがまだ赤ちゃんだったころ、お風呂でちょっとしたことがあったの」
娘を連れて帰省したあの晩、初めてひ孫に会えてうれしそうだった祖母は、袖をまくりながら私に言いました。
「赤ちゃんのお風呂なら任せて。何度もやってきたんだから」
母も私も、赤ちゃんのころは祖母にお風呂に入れてもらっていました。
だから私もすっかり安心し、久しぶりにゆっくりできると喜んでいたのです。
泡が立たない理由に気づいた祖母
しばらくすると、浴室から祖母が娘に話しかける楽しそうな声が聞こえてきました。
私は台所で母とお茶を飲みながら、「やっぱり慣れてるね」と安心していました。
やがて着替えを持って浴室をのぞくと、祖母は娘を片腕に抱え、手のひらでそっと体を洗っていました。
ところが、どこにも泡がありません。
「あれ?」と思って足元を見ると、そこにあったのは石けんではなく、お風呂上がりに使う赤ちゃん用の保湿液でした。
「おばあちゃん、それ…石けんじゃないよ。保湿液だよ」
「え?」
祖母はボトルを顔の前まで持ち上げ、しばらくじっと見つめました。
「あらまあ。だから全然泡が出なかったのね」
私は思わず吹き出してしまいました。
お湯で流してもらった娘をバスタオルにくるむと、祖母も照れくさそうに笑っています。
そこへ廊下から母が顔を出しました。
「どうしたの?何かあった?」
事情を話すと、母まで声を上げて笑いました。当の娘は何も知らず、祖母の腕の中ですやすや眠っていました。
その話を聞き終えた娘は、しばらくくすくす笑っていましたが、やがて祖母のほうを向いて真顔になりました。
「おばあちゃん、お風呂でまちがえないでよ」
「はいはい。もう間違えないよ」
母もお茶を注ぎながら笑います。
「ひ孫にまで言われちゃったね」
その夜、祖母と一緒にお風呂へ向かった娘は、脱衣所の戸を開けるなり、棚の白いボトルを指さしました。
「こっちじゃなくて、石けんのほうだからね」
「分かってますよ」
祖母はそう答えながら、娘の頭をなでて目じりをくしゃくしゃにして笑っていました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














