「犬を飼うなら、出ていって!」ペット禁止のアパートで私を犯人扱いする隣人。だが、管理人の前で言葉を失った
隣から来た疑い
土曜の昼、隣の戸川さんが来て、私が犬を飼っていると責めました
私は真帆。1人で暮らすアパートは、ペット禁止です。違反したら退去だと、管理人さんから念を押されています。平日は朝から夜まで仕事で、部屋にいるのは週末だけです。
土曜の昼、テレビで犬の特集を見ていると、チャイムが続けて鳴りました。ドアを開けると、隣の戸川さんが腕を組んで立っています。
「犬を飼うなら、出ていって!」
「うちには、いません…」
番組の音だと話しても、戸川さんに言い訳だと突っぱねられました
戸川さんは、さらに一歩詰め寄りました。
「ピンポンの後に、鳴いてたわよ」
さっき宅配のチャイムが鳴った後、犬の声がはっきり聞こえたというのです。
「テレビの、犬の特集です…」
「言い訳は、もうたくさん!」
戸川さんはそう言い捨てて、自分の部屋へ戻りました。
翌日、戸川さんは管理人さんを連れて、また私の部屋に来ました
翌日の昼過ぎ、チャイムに出ると、ドアの外には戸川さんと管理人さんが並んでいました。下の階から、犬の声がうるさいと苦情が届いているそうです。
「鳴き声は毎日、この部屋から!」
自分は動物なんて大嫌いだから、飼うわけがない。戸川さんは管理人さんに、そう言い切りました。
「本当ですか?」
管理人さんの目が、まっすぐ私に向けられました。
管理人さんの前で
部屋を見せても預けたのだろうと言われ、私は言葉に詰まりました
私はドアを大きく開け、中を見てくださいと頼みました。けれど戸川さんは、部屋をのぞきもせずに笑います。
「どうせ、預けたんでしょ」
「でも、本当に…」
今ここに犬がいないことしか、私には見せられません。テレビの話も、昨日と同じく言い訳にされるだけです。管理人さんは黙って、私の部屋と私の顔を見比べていました。
隣の部屋のチャイムを押すと、閉じたドアの奥で犬が鳴きました
そのとき、昨日の戸川さんの言葉が引っかかりました。宅配のチャイムの後に、鳴いていた。けれど昨日、私の部屋に宅配は来ていません。宅配のチャイムだと分かるのは、それが鳴った部屋の人だけです。
「ピンポンの後に、鳴くんですよね?」
まず自分の部屋のチャイムを押しました。部屋の中は、しんとしたままです。続けて、隣の戸川さんの部屋のチャイムを押しました。戸川さんは胸の前で手を上げたまま、管理人さんの前で動けなくなりました。
閉じたドアの奥から、甲高い犬の声が返ってきました。ドアの下の隙間に、小さな鼻先がのぞいています。
「鳴いてますね、そちらのお部屋で」
自分が退けた言い訳を返され、戸川さんは何も言えなくなりました
戸川さんは、自分のドアの前に立ちふさがりました。
「テ、テレビの番組よ!」
「昨日の私と、同じ言い訳ですね」
戸川さんは口を開きかけ、何も言わずに閉じました。ドアの向こうでは、犬がまだ鳴き続けています。下の階の苦情を、壁越しに聞こえた私のテレビのせいにするつもりだったのです。
契約のお話をさせてください、と管理人さんは戸川さんに告げ、私には、疑ってすみませんでしたと頭を下げました。戸川さんは、うつむいたままでした。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














