「本部に苦情を入れるわよ!」会計後のクーポンをめぐり騒いだ女性客。だが、店長から再会計の結果を聞いて言葉を失った瞬間
会計を終えた女性客が差し出したクーポン
半年ほど前の週末の夕方、日用品を買いに近所のドラッグストアへ行ったときのことです。
レジには10人ほどが並んでいました。私も列に加わり、順番が来るのを待っていました。
私の2人前にいた女性客が会計を終え、商品とレシートを受け取ったときです。
かばんに商品を詰めていた女性客が、突然「あっ」と声を上げました。
そして携帯電話を取り出すと、画面を若い女性店員の顔の前へ突き出したのです。
「クーポン出すの忘れちゃった。400円引きになるはずよ!今からでいいから使わせて」
店員は困った表情を浮かべながら、丁寧に答えました。
「申し訳ありません。お会計が終わっていますので、そのまま割引を適用することはできないんです」
すると女性客は、眉をひそめました。
「えっ?だって、今さっき払ったばかりよ?まだここにいるじゃない!」
「そうなんですが……申し訳ございません」
「もう、なんでそんなに融通が利かないの!ちょっとくらい何とかしてよ!」
店員が繰り返し謝っても、女性客は納得しません。
ついにはレジ台に手をつき、身を乗り出して声を荒らげました。
「店長を出しなさい!本部に苦情を入れるわよ!」
その間も会計は進まず、列は後ろへ伸びていきます。
女性客が大声で抗議し始めてから15分以上。
私も含め、並んでいた客たちは困った様子でやり取りを見守るしかありませんでした。
再会計で分かった、本当の割引額
そこへ、店の奥から店長が出てきました。
店長は女性客の話を聞くと、落ち着いた口調で答えました。
「分かりました。では、一度お会計を取り消して、クーポンが使えるか確認いたします」
「早くしてよ。こっちはずっと待たされてるんだから」
女性客は不満そうに腕を組みました。
店長は先ほどの会計を取り消し、クーポンを読み取って商品を打ち直しました。
やがて新しいレシートが出てくると、店長はそれを女性客に見せながら説明しました。
「お待たせしました。このクーポンは対象商品だけの割引ですね。今回のお買い物では、こちらの商品のみ対象になります」
「それで、いくら安くなったの?」
「十円のお値引きです」
「……えっ?十円……?」
女性客はレシートに目を落としたまま、動きを止めました。
400円の値引きを期待していたようですが、実際にクーポンが適用されたのは、買い物のうち一つの商品だけだったのです。
あれほど大きな声で抗議していた女性客も、それ以上は何も言いませんでした。
周囲の視線に気づいたのか、顔を赤らめると、レシートを受け取って足早に店を出ていきました。
店長は、うつむいていた店員の肩を軽くたたき、並んでいた客たちに頭を下げました。
「大変お待たせいたしました」
店員も顔を上げ、次のお客さんのかごを受け取ります。
ようやくレジが動き出し、私もほっとしました。
ほんの十円の割引を確認するために、これほど長い時間がかかるとは思いませんでした。
何度も謝りながら対応していた店員の姿が、今でも印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














