「タクシー代のほうが高いじゃん」閉店した両替所で私たちを責めた友人。翌日、気づいた無駄な出費
閉店5分前、友人が走り出した
友人2人と海外旅行に出かけたときのことです。
滞在先は観光地で、街には両替所がいくつもあり、両替する場所に困ることはありませんでした。
ある日の夕方、3人で通りを歩いていると、友人の1人が急に立ち止まり、地図を取り出しました。
ほかより得に両替できる店があると聞いたようです。
「ねえ、このお店、ほかよりレートがいいんだって。ここに行こうよ」
「でも、もう夕方だし、明日でもよくない?」
私がそう返すと、友人は納得できない様子で地図をこちらに向けました。
営業時間を確認すると、閉店まであと5分しかありません。
もうひとりの友人も、困った顔で声をかけました。
「今からじゃ無理だよ。明日にしよう」
しかし、友人は首を横に振ります。
「少しでも得になるなら、行ってみたいの!」
そう言って駆け出すと、途中でタクシーを拾って乗り込みました。
私たちも置いていかれるわけにはいかず、同じタクシーに乗りました。
ところが、到着したときには両替所の入口は真っ暗。すでに閉店していました。
「ちょっと、なんで閉まってるのよ。ふたりがのんびりしてたせいだからね」
友人は不機嫌そうに私たちをにらみました。
最初から無理だと言っていたのに…。そう思いましたが、これ以上言い合いになるのも嫌で、私は黙っていました。
翌日、レシートを並べて気づいたこと
翌日の昼過ぎ、友人はホテルの近くの両替所でお金を替え、ロビーに戻ってきました。
ソファにどさりと座ると、財布から何枚ものレシートを取り出して広げ始めました。
「見てよ。昨日のお店なら、もっともらえてたはずなのに」
「そんなに違うの?」
私が尋ねると、友人は少し得意げに答えました。
「そりゃ、少しでも得なほうがいいでしょ。昨日はタクシー代まで払ったんだし」
そう言いながら、今日の両替のレシートの横に、昨日のタクシーのレシートを並べました。
友人は、2枚のレシートをじっと見つめています。
先ほどまで勢いよく話していたのに、急に口を閉じました。
「……あれ?タクシー代のほうが高いじゃん」
友人が期待していた両替の差額よりも、昨日払ったタクシー代のほうが高かったようです。
少しでも得をしようと急いだ結果、かえって余計なお金を使ってしまったことに、ようやく気づいたのでしょう。
友人はレシートを握ったまま、しばらく黙り込んでいました。
すると、隣に座っていたもうひとりの友人が、くすっと笑って言いました。
「昨日のうちにあきらめてたら、そのぶん浮いてたのにね」
友人は何も言い返さず、レシートをまとめて財布の奥に押し込みました。
ソファの横に立っていた私は、もうひとりの友人と目を合わせ、思わず苦笑いしてしまいました。
結局、旅行が終わるまで、その友人から両替の話が出ることはありませんでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














