「BBQの片付けは、あなたの家ね」肉を1枚焼いただけで、焼き係の恩を着せるママ友。帰り支度の途中で白旗
連休の朝、河川敷のバーベキュー場で
仕切り役のママ友は、ここは一日じゅう川から同じ風だと言いました
川側の芝に自分の折りたたみ椅子を据えると、仕切り役のママ友は私たちに言いました。
「ここは一日じゅう、川から同じ風。」
「特等席だから、一歩も動かさない。」
毎年来てる私が言うんだから、とママ友は胸を張ります。
5月の連休の朝、河川敷のバーベキュー場。
保育園の同じクラスの3家族で来ました。子どもたちは夫たちと、川べりで遊んでいます。
川側に椅子を置いたママ友とは対照的に、私は土手側のコンロの前で準備を進めていました。
仕切り役のママ友は1枚だけ焼くと、トングを私に渡しました
もう一人のママ友が子どもたちを追って川べりへ下りると、仕切り役のママ友は1枚目の肉を焼いただけで、トングを私に差し出しました。
「焼き係、あとはお願いね。」
「私は、荷物番してるわ。」
それから夕方まで、仕切り役のママ友は特等席でお茶とスマホ。首のタオルで汗をふきながら、肉や野菜を焼いていたのはほとんど私です。
途中、子どもの飲み物を取りに戻ったもう一人のママ友と目が合ったこともありました。そのときも私は、焼き網の前で肉を焼いていたのです。
炭の煙は何度も私の立つ土手側へ流れ、目にしみるたびに顔を背けました。一方、川側の椅子に座るママ友には、ほとんど煙が届いていませんでした。
仕切り役のママ友は、焼いたのは私だともう一人のママ友の前で言いました
夕方、片付けと帰り支度の時間です。川べりから戻ったもう一人のママ友の前で、仕切り役のママ友は私に向き直りました。
「煙をかぶって、焼いたのは私よ。」
「BBQの片付けは、あなたの家ね。」
肉を取りに来るもう一人のママ友の前でだけ、仕切り役のママ友は私からトングを取り、皿に取り分けていたのです。昼も、その皿はもう一人のママ友が川べりへ運びました。
そのため、仕切り役のママ友がずっと焼き係をしていたように見えたのかもしれません。
しかし、実際に煙を浴びながら焼いていたのは私です。片付けまでわが家だけに押しつけられるのは、納得できませんでした。
片付けの時間に、恩を着せる声
片付けも場所取りも押しつけられ、私は両手を握りしめました
「特等席のはずが、一日じゅう風下。」
「炭の始末も、場所取りもお願い。」
来月また、ここに集まる約束です。今度の場所取りまで、わが家に押しつけるつもりのようでした。
本当のことなら、いくらでも言えました。けれど仕切り役のママ友は保育園の保護者会の役員で、息子はそのママ友の娘と大の仲よし。
ここで言い返せば、息子は次の集まりから外されるかもしれません。
もう一人のママ友も、同じ保護者会の役員です。私は胸の下で両手を握りしめました。
それでも、朝から動かしていない椅子の位置と、何度も自分の方へ流れてきた煙のことを思い出しました。
少なくとも、仕切り役のママ友がずっと風下で煙を浴びていたという説明には、無理があります。
タオルも煙も私の側へ流れ、特等席は風上だと分かりました
ここでうなずけば、もう一人のママ友の中でも、一日焼いたのは仕切り役のママ友ということになってしまいます。
言い争うのではなく、まずは風の向きを見てもらおうと思いました。
「タオルで、風を見てみませんか。」
コンロの横で、首のえんじ色のタオルを外し、短い辺の両端を頭の上でそろえて持ちます。
タオルは川からの風を受けて、ママ友の椅子とは反対の、私の立っていた土手側へ大きくなびきました。炭の細い煙も、同じ向きです。
今も風下は、私の側でした。朝から何度も煙がこちらへ流れていたことを思い返しても、状況は変わっていません。
仕切り役のママ友が言うように、一日じゅう川から同じ風が吹いていたのなら、川側の特等席はずっと風上だったことになります。
もう一人のママ友も、タオルと煙が流れる方向を見つめていました。
仕切り役のママ友はタオルを見上げ、眉を寄せました。
仕切り役のママ友はファスナーを上げ、押しつけを引っ込めました
「椅子はさっきまで、風下にあったの!」
「朝から一歩も、動いていません。」
私は椅子を指して答えました。荷物番をしていたママ友の椅子は、朝からずっと川側にありました。
しかも、もう一人のママ友は、昼前に飲み物を取りに戻った際、私が焼き網の前に立っていたところを見ています。
煙の流れる方向だけで、誰がずっと焼いていたかを証明できるわけではありません。それでも、椅子の位置と実際に目にした光景が重なり、もう一人のママ友にも事情が伝わったようでした。
仕切り役のママ友は、パーカーのファスナーを首元まで引き上げました。
もう一人のママ友は椅子と私を見比べると、仕切り役のママ友が押しつけた片付けには手を貸さず、自分の家のゴミ袋の口だけを結びました。
私も、自分たちが使った道具を片付け始めます。
誰も、仕切り役のママ友の要求に従おうとはしませんでした。
ファスナーの金具を握ったまま、ママ友が言いました。
「片付けは、それぞれの家で。場所取りも、いいわ。」
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














