供給不足の懸念が招いた米価高騰の裏側
スーパーの棚に新米が並び、一時の「令和の米騒動」は落ち着きを見せたかのように感じられます。しかし、店頭に掲げられた価格に、思わず足を止めてしまう人も多いはず。例年を大きく上回る高値が続く現状についての内容が波紋を広げています。
背景にあるのは、昨夏の猛暑による品薄の記憶が引き起こした「集荷競争」です。卸売業者は在庫を確保するために例年より高い価格で農家から買い取りを進めました。その結果、倉庫には十分な米があるにもかかわらず、仕入れ値が上がったことで小売価格も高止まりするという歪な構造が生まれています。
SNSではこの事態に対し、切実な声が数多く寄せられています。
「いつまでこの値段が続くのか。毎日食べるものだけに家計へのダメージが大きすぎる」
「米はあるのに安くならないのは、結局は業者の利益優先に思えてしまう」
「高くても買わざるを得ない状況を見透かされているようで複雑だ」
このように、単なる供給不足ではなく、流通の仕組みや心理的な要因に疑問を抱くユーザーが目立ちます。
今回の米価高騰は、私たちが抱く「無くなるかもしれない」という恐怖心が、市場を過熱させてしまった側面があるのではないでしょうか。在庫の確保はリスク管理として正解ですが、それが過剰な争奪戦となれば、最終的にコストを負担するのは消費者です。
本来、豊作であれば価格は落ち着くはず。しかし、一度跳ね上がった相場を戻すには時間がかかります。
食卓の真ん中にある「お米」という存在が、これほどまでに不安定な経済の波に晒されている現実に、改めて食の安全保障の大切さを痛感させられます。














