「君の方が若いから」という常套句
「君、ちょっといいかな?」
デスクでパソコンに向かっていると、背後からかかるいつもの声。
忙しい日々を送る私ですが、直属の上司には困った癖がありました。
それは、何かにつけて私に「雑用」を押し付けること。
その日も、上司は当然のような顔で無理難題を突きつけてきました。
「来週の会議の資料作りと会場設営、全部君に任せたよ。ほら、君の方が気が利くし、私より若いんだからさ。頼りにしてるよ!」
「……ですが、私は今、締め切り間近のプロジェクトを抱えています。設営などは分担しませんか?」
勇気を出して提案するも、上司は取り合う様子もありません。
「まあまあ、そんなこと言わずに。君ならパパッとできるだろう?期待してるよ!」
一方的に言い残し、自分の席へ戻る後ろ姿。
周りの同僚も「またか……」という同情の視線を送ってくれますが、助け舟は期待できません。
(若いと言っても、私だって40代。便利屋じゃないんだ……)
徹夜で仕上げた「反撃の種」
その夜、私は残業をしながら一つの資料を作り上げました。
それは、チーム全員の業務分担を可視化したリスト。
誰がどの案件を持ち、どれだけの時間を費やしているか。
そして、上司が私に押し付けている「名もなき雑務」がどれほどの量に及ぶか。
数字とグラフで示した、一目でわかる残酷なまでの現実です。
翌朝、私はその資料を手に、さらに上の役職である部長のもとへ。
「部長、お忙しいところ失礼します。チームの生産性を向上させるために、業務の透明化についてご相談があります」
会議室に流れる、沈黙の正体
そして迎えた、翌週の定例会議。
議題の最後に、部長が静かに口を開きました。
「今日から、我が部では正式に『タスク管理システム』を導入する。誰が何の仕事をしているか全員で共有し、特定の個人に負担が偏らないようにするためだ」
予想外の展開に、上司の顔がみるみるうちに強張ります。
「えっ、部長。そんなガチガチに管理しなくても、現場の裁量で……」
慌ててフォローしようとする上司を、部長の鋭い視線が射抜きました。
「その『裁量』という言葉で、一部の部下に雑用を丸投げしていた現状があるようだが?今後は、システムに登録されていない業務を、勝手に押し付けることは一切禁止する。いいな?」
「……はい。承知しました」
あんなに饒舌だった上司が、ぐうの音も出ない様子でうつむく姿。
真っ赤な顔で黙り込むその表情は、今思い出しても笑いが込み上げるほど滑稽でした。
重かった肩の荷が、一気に軽くなった瞬間。
それ以来、私のデスクに「丸投げの雑務」が届くことは二度とありません。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














