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2026.10.18(Sun)

「その運転手を呼んでくれ!」あおり運転の苦情で営業所に押しかけた男性。だが、窓の外を見て言葉を失った瞬間

「その運転手を呼んでくれ!」あおり運転の苦情で営業所に押しかけた男性。だが、窓の外を見て言葉を失った瞬間

突然押しかけてきた男性

私は運送会社の営業所で、事務の仕事をしています。

入口近くの受付で伝票を整理したり、電話に対応したりするのが主な仕事です。

奥には所長の机があり、窓からは駐車場に停めてあるトラックが見えます。

ある日の午後、突然ドアが勢いよく開き、60代くらいの男性が入ってきました。

「おい!おたくのトラック、どうなってるんだ!」

男性は受付の台をたたきながら、大声で怒鳴り始めました。

驚きながらも事情を尋ねると、1時間ほど前、国道を走っていたところ、後ろからトラックにぴったりつけられたというのです。

車体に書かれていた名前を頼りに会社を調べ、ここまで来たそうです。

「それは怖かったですね。何時ごろ、どのあたりでしたか?」

「1時すぎだよ!橋の手前!緑のでかいトラックが、ずっと後ろにくっついてきたんだ!」

私は急いでメモを取りました。

ただ、一つ気になることがありました。

うちの会社のトラックは、すべて白色なのです。

「あの、すみません。うちのトラックは……」

そう説明しようとした瞬間、男性の声がさらに大きくなりました。

「言い訳するな!トラックの名前は見たんだ、社長を出せ!」

「こっちは怖い思いをしたんだぞ!家族が乗ってたらどうするんだ!」

男性の怒鳴り声は10分ほど続きました。

怖い思いをしたことには同情しますが、こちらの話を聞いてもらえず、ペンを持つ手が震えてしまいました。

所長が確認した1枚の運行表

すると、奥の机にいた所長が立ち上がり、私の隣に来ました。

「お話は聞こえていました。社長は本社におりますが、この営業所の責任者は私です。まず、確認させてください」

所長は私のメモを受け取ると、奥の机に戻りました。

それから5分ほどして、1枚の運行表を持って戻ってきました。

「お待たせしました。午後1時すぎ、橋の手前ということでしたね」

「そうだよ!だから、その運転手を呼んでくれって言ってるだろ!」

「今、うちの車の記録を確認しました。その時間帯は別の町で配達していた記録になっています。こちらが配達先への到着時刻です」

所長が運行表を差し出すと、男性は顔を近づけて確認し始めました。

さらに所長は、窓の外を指さしました。

「それと、トラックは緑色だったんですよね。うちの車は全部白なんです。あちらを見ていただけますか」

窓の外には、白いトラックが並んでいました。

男性は窓の外を見て、もう一度運行表に目を落としました。

「あれ?緑だったんだけどな…」

さっきまでの怒鳴り声が嘘のように小さくなりました。

「お話を聞く限り、うちの車とは特徴が違うようです。隣の町に名前のよく似た運送会社もあるんですが…」

所長はそこで一度言葉を区切りました。

「ただ、そちらの車だったかどうかは分かりません。よろしければ連絡先をお書きします」

男性は何も言わず、小さくうなずきました。

そして、所長から連絡先を書いた紙を受け取ると、私のほうに向き直りました。

「……悪かったね。あんたに怒鳴ることじゃなかった」

そう言って、深く頭を下げたのです。

「いえ……。お気をつけてお帰りください」

男性は小さくうなずき、静かに営業所を出ていきました。

所長は私の机に戻ってくると、先ほどのメモを置きました。

「時間と場所をちゃんと聞いてくれてたから、確認しやすかったよ。助かった」

メモには、緊張でゆがんだ文字が残っていました。

まだ少し手が震えていましたが、所長の言葉を聞いて、ようやくほっとしました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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