「1つ下のクラスのままなんて、熱心じゃないのね」娘を陰で笑ったママ友。だが、先生が発表会の最後に発表した特別な賞
上のクラスに進んだママ友のひと言
小学4年生の娘は、1年生の春から週に一度、ダンス教室に通っています。
振りを覚えるのはゆっくりで、今も最初に入ったクラスのまま。それでも娘はダンスが大好きで、レッスンの帰り道には覚えた振りを私に見せてくれます。
雨の日も一緒に傘を差して通う時間が、私にとっても楽しみでした。
同じ小学校のママ友も、子どもをその教室に通わせています。
その子が去年、上のクラスに進んでから、ママ友は娘のことを気にするようになりました。
学校行事で会ったときも、「まだダンス、続けてるんだ?」と聞かれました。
「うん。本人が楽しいって言ってるから」
そう答えると、ママ友は鼻で笑いました。
「うちは毎日練習させてるよ。やっぱり親が見てあげないとね」
別の日には「おたくの子は、のんびりしてるよね」と言われたこともあります。
返す言葉が見つからず、曖昧に笑ってやり過ごしていました。
そんなある日、レッスンが終わるのを待っていると、娘と同じクラスの別のお母さんが隣に座りました。
「ちょっと言いにくいんだけど…あの人、ほかのお母さんたちの前でも話してたよ」
「え、何を?」
そのお母さんは、ママ友の口調をまねて言いました。
「『1つ下のクラスのままなんて、熱心じゃないのね』って」
「……そんなこと言ってたんだ」
娘が楽しんで続けていることまで、否定されたようで悲しくなりました。その夜はなかなか寝つけませんでした。
発表会で名前を呼ばれた娘
その後、市の小さなホールで発表会が開かれました。私は客席の前のほうに、話を教えてくれたお母さんと並んで座りました。
例のママ友は、私たちの一つ前の列にいます。
すべての演目が終わると、先生が舞台に立ってマイクを持ちました。
「今日は、特別に表彰したい子がいます。小学1年生の春から今まで、一度もレッスンを休まずに通ってくれました」
呼ばれたのは、娘の名前でした。
舞台に上がった娘は、先生から受け取った賞状を両手で持っています。
驚いている私に、先生の言葉が続きました。
「上のクラスを目指して頑張るのも、もちろん素晴らしいことです。でも、好きなことを続けるのも簡単ではありません。毎週送り迎えをしてくれたお母さんにも、拍手をお願いします」
客席から拍手が広がりました。娘の顔を見ているうちに、私も涙がこぼれてきました。
ふと前の列を見ると、ママ友は胸の前で手を止め、横を向いていました。その手は、最後まで動きませんでした。
隣のお母さんが、前の列にも聞こえるくらいの声で私に言いました。
「熱心なのは、どっちだろうね」
ママ友の耳が赤くなっているのが見えました。
閉会後は子どもの手を引き、振り返らずに出口へ向かいました。
何人ものお母さんが、その姿を目で追っていました。
あの言葉が胸に残っていないわけではありません。でも、娘がずっと楽しみにしてきたレッスンの日々を、先生が見ていてくれた。それが何よりもうれしかったです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














