「お前、何その眉!普通じゃないだろ!」登校15分前に片眉を剃ってしまった私。教室に入った瞬間、全員が笑い出した理由
登校15分前、片方の眉が消えた
高校2年生の、ある平日の朝のことです。
詰め襟の制服に着替えた私は、洗面所でひげをそっていました。
ふと鏡を見ると、眉の形が少し気になりました。
「ちょっと整えるか」
軽い気持ちでかみそりを眉に当てた、その瞬間です。
手元がすべり、慌てて鏡をのぞき込むと、片方の眉がほとんどなくなっていました。
「えっ…うそだろ!?」
何度見直しても、眉は戻ってきません。
時計を見ると、家を出るまであと15分。今さらどうしようもありません。
焦った私は自分の部屋へ走り、机の引き出しから黒い油性マジックを取り出しました。
「これで描けば、なんとかなるだろ…」
洗面所へ戻り、鏡を見ながら慎重に一本の線を描きました。
ところが、もう片方の眉と比べると、どうも細すぎます。
もう一度なぞると、今度は形がずれて見えました。
「あれ?ちょっと待て……」
太さを合わせようと何度も描き足しているうちに、取り返しのつかないことになっていました。
描いた眉は、もう片方の倍ほどの太さ。しかも、マジック特有の黒い光沢まであります。
「まあ…乾けば目立たなくなるだろ」
そう自分に言い聞かせ、玄関へ向かいました。
「忘れ物はない?」
台所から母の声が聞こえます。
「ない!いってきます!」
顔を見られないよう、振り返らずに家を出ました。
通学路では誰からも何も言われませんでした。私は少しずつ安心し始めていました。
きっと乾いて、普通の眉に見えているはずだと思ったのです。
教室に入った瞬間、全員が振り向いた
教室の前に着いた私は、一度深呼吸しました。
変に隠そうとするほうが怪しまれる。いつもどおりにしていれば大丈夫。
そう思ってドアを開け、片手を挙げました。
「おはよう、今日も普通の1日だな」
自分でも驚くほど、わざとらしい挨拶でした。
その声に、教室にいた30人ほどのクラスメイトが一斉に振り向きました。
そして、私の顔を見た瞬間。
「……ぷっ!」
誰かが吹き出したのをきっかけに、教室中から笑い声が上がりました。
入口の近くに座っていた友人は、机をたたきながら笑っています。
「お前、何その眉!普通じゃないだろ!」
「いや、別に普通だけど…」
「絶対マジックだろ!においがしそうだわ!」
見た目だけでバレてしまい、私は顔が熱くなりました。
「いや、そんなわけ…」
言い返しながら、思わず片手で眉を隠しました。
ところが、手を下ろしたところで、前の列にいた女子が笑いながら声をかけてきました。
「ちょっと、手まで黒くなってるよ!」
「えっ?」
手のひらを見ると、眉を押さえたところに黒いマジックがべったりついていました。
「うわっ、最悪…!」
隠そうとしたせいで、余計に目立ってしまったのです。
教室はまた笑いに包まれ、私はもう笑ってごまかすしかありませんでした。
やがてチャイムが鳴り、1時間目の先生が教室に入ってきました。
それでも、クラスメイトたちは私の顔を見るたびに笑いをこらえています。
先生も出席簿から顔を上げ、私を見るなり一瞬動きを止めました。
そして何も言わずに黒板へ向き直りましたが、チョークを持った肩が小さく震えていました。
先生まで笑いをこらえていたのです。
それから眉が元に戻るまでの約1か月間、私はクラスで「マジック」と呼ばれるようになりました。
ようやく眉が生えそろった朝、私の顔を見た友人が、少し残念そうに言いました。
「なんだ、今日から普通の1日か」
あれだけ必死に隠そうとした眉の失敗は、今でも忘れられない高校時代の笑い話です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














