「今年はずいぶん多いね!」親戚の子どもたちが大喜びしたお正月。だが、大人たちが顔を見合わせて笑った思わぬ理由
親戚の何気ない一言で、お年玉が心配に
お正月の親戚の集まりは、私たち夫婦にとって毎年恒例の行事です。
親戚の家の居間で座卓を囲み、おせちを食べながら、子どもたちにお年玉を渡します。
お年玉の金額は、子どもたちの年齢に合わせて、毎年妻と相談して決めていました。
ところが、ある年の集まりで、私は自分たちが渡している金額に自信がなくなってしまったのです。
集まりも終わりに近づき、子どもたちが廊下でぽち袋を見せ合っていたころでした。
隣に座っていた親戚の男性が、みかんをむきながら話しかけてきました。
「お年玉って、毎年いくらにするか迷わない?うちはだいたい、これくらいなんだけどさ」
男性が口にした金額を聞いて、私は驚きました。うちが渡している額より、ずっと多かったのです。
「えっ、そんなに渡してるんですか?うち、少なすぎるのかな…」
「いやいや、何が普通かは分からないけどね」
男性は笑いながらみかんを口に運んでいましたが、私はそれどころではありませんでした。
帰り道、駅へ向かって歩きながら、妻に話しました。
「さっき聞いたお年玉の額、うちよりずっと多かったんだよ。ちょっとまずかったかな」
「えー、そうなの?でも、うちは年齢に合わせて決めてるんだし、いいんじゃない?」
妻はあまり気にしていない様子でしたが、私はどうしても引っかかっていました。
そして翌年の年末が近づくと、またあの金額が頭に浮かんできたのです。
結局、私は新しいぽち袋を買い、いつもより思い切って金額を増やすことにしました。
全員がお年玉を増やしていた意外な理由
翌年のお正月、親戚たちは再び同じ居間に集まりました。
私が子どもたちにお年玉を渡すと、ほかの親戚たちも次々とぽち袋を差し出します。
その様子を見て、私は思わず目を丸くしました。
ほかの家が用意したぽち袋も、去年よりずいぶん分厚く見えたのです。
子どもたちは大喜びでした。
「今年はずいぶん多いね!」
「ほんとだ!どれもぱんぱんだよ!」
うれしそうな声が居間に響く一方で、大人たちはお互いの顔を見合わせていました。
すると、去年みかんをむきながら話していた男性が、苦笑いしながら口を開きました。
「いやあ、実は去年、ほかの家のお年玉の話を聞いてさ。うちは少ないんじゃないかと思って、今年は増やしたんだよ」
「えっ、そうだったんですか?実はうちもなんですよ」
思わず私が答えると、親戚の女性まで笑い出しました。
「ちょっと待って。うちも同じ!去年の話を聞いて、今年は増やしたのよ」
すると、ほかの親戚たちからも「うちもだよ」「実はそうなんだよね」と声が上がりました。
なんと、どの家も自分たちのお年玉が少ないのではないかと気にして、こっそり金額を増やしていたのです。
去年、私よりずっと高い金額を話していたあの男性まで、同じように焦っていたとは思いもしませんでした。
そのことが分かった途端、大人たちは顔を見合わせて大笑い。子どもたちは、なぜ大人が笑っているのか分からないまま、うれしそうにはしゃいでいました。
帰り道、妻が笑いながら言いました。
「ほら、そんなに気にしなくてもよかったんじゃない?次からは、みんなで相談して決めようよ」
「本当だな。まさか全員、同じこと考えてたなんて」
私もつられて笑ってしまいました。
お年玉をもらった子どもたちにとっては、思いがけずうれしいお正月だったのでしょう。
でも大人たちにとっては、ちょっとおかしくて、少しだけ財布に痛いお正月になりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














