
定年翌日から始まったうどん中心の生活が問いかけるもの
これからは夫婦で穏やかな老後を。そんな青写真を描いていた元会社員の男性が、定年翌日から直面したのは、妻からの家事定年宣言と、毎日のように続くうどん生活でした。経済的な不安はなくとも、生活の術と居場所を失った男性の姿に、ネット上では現代の夫婦の在り方を問う議論が巻き起こっています。
大手建材メーカーに40年以上勤務してきたヒロシさん(仮名)は、退職金1,500万円に加え、十分な蓄えを持って定年を迎えました。しかし、現役時代に家事のすべてを妻に委ねてきた代償は、退職後の家庭内での無力さとなって現れます。
「私の家事も定年なの」と宣言した妻のケイコさん(仮名)は、献立を考える苦労から自分を解放するため、調理が容易な冷凍うどんを主軸に据えました。キッチンでの立ち回り方もわからず、ただ食事が出てくるのを待つだけのヒロシさんは、レンジの加熱終了を知らせる電子音だけが響く静かなリビングで、誰からも必要とされていない孤独を噛みしめることになったのです。
このエピソードに対し、SNS上では妻の立場に理解を示す声が多く寄せられました。
『自分の人生なんだから、自分で退職後の道も生活も考えて実行してほしい。妻にとっても定年退職なんですよ』
『基本は自分の事は自分でやる!じゃないんですかね。誰かがやってくれるのを待つのではなくて、ご飯が食べたかったら自分でご飯を炊く。家事をやり始めたら奥さんの負担も減り、感謝されると思いますよ』
一方で、環境の変化に戸惑う夫への同情や、健康面を危惧する現実的な視点も目立ちます。
『うどんうどんの生活だと旦那さんの健康に不具合が起こって、奥さんの今の解放された毎日にも暗雲が垂れ込めません?』
『自分の行動次第でコントロール出来る趣味くらいは無いとシンドイと思います』
また、現状を前向きに捉え直そうとする、ユニークな提案も見受けられました。
『こうなったら饂飩教室にかよって自家製饂飩というライフスタイルがありますよ。月曜は月見うどん、火曜は鍋焼きうどん……これで曜日がしっかりと自覚できます』
ヒロシさんのケースは、決して他人事ではありません。仕事一筋で生きてきた人にとって、会社という肩書きを失った後の自分をどう定義するかは老後の大きな課題です。
料理一つにしても、仕事で培った管理能力を活かせば挑戦可能なはずですが、それを阻むのは長年の役割分担に甘んじてきた心の慣れなのかもしれません。














