「息子に距離を置かれるなんて耐えられない」みんなの前でプライベートな質問ばかりしてくる友人→友情が終わった結果
式の直後、みんなの前で向けられた問い
大学から付き合いのある友人がいた。卒業後も年に数回は会っていて、仲間内でも比較的気心が知れているつもりでいた。
卒業旅行でも一緒だったし、就職後もよく連絡を取り合っていた。お互いの近況を話して、笑い合えた時間があった。
結婚式のあと、仲のいいグループで集まった。賑やかで、久しぶりに笑える席だった。そこで友人がふいに私の方を向いた。
「ちゃんとお父さんとの思い出ある?」
周囲の視線がこちらに集まった気がした。
父親との関係は、ずっと自分の中でだけ抱えてきた話だ。夫婦間でもほとんど話していない。
職場の誰にも打ち明けたことがない。それなのに、みんなのいる場でそう問われた。
手が震えそうになった。答える言葉が出てこなかった。隣にいた妻が気を回して話題を変えてくれて、その場はひとまず収まった。
友人に悪意はなかったのだと思う。ただ好奇心で聞いただけだったのかもしれない。それでも、踏んではいけない場所を踏まれたという感覚だけが残った。
帰り道、ずっとそのことを考えていた。今夜だけはそっとしておいてほしかったと思いながら、電車に乗っていた。それが最初のひびだった。
笑いながら言われた一言の重さ
それから数年が経った。世の中の状況でリモート飲み会が定着して、仲間内でも画面越しに集まるようになっていた。
ある夜の飲み会で、酔いが回った友人がまた父の話題を引き出してきた。自分も父親になって、感覚が変わっていたのかもしれない。笑いながら言った。
「俺が父親だったら、息子に距離を置かれるなんて耐えられない」
私がずっと向き合ってきたことだった。
何十年も、ゆっくりと時間をかけて折り合いをつけてきた重さがある。苦しんだ夜もあった。今の距離感にたどり着くまでに、それなりの時間がかかった。
それをヘラヘラしながら、冗談のような口調で口にした。
笑えなかった。画面の中の友人は気づいていなかった。会話はそのまま流れていった。でも、私の中で何かが静かに閉じた。
地雷を踏まれるとはこういうことだ。
ライフステージが変われば変わる友情もある。そのことを頭ではなく、身体で理解した夜だった。あれ以来、連絡を取ることが自然と少なくなり、今も会う気がなかなか起きない。
向こうから誘いが来ても、どこかぼんやりと返事を先送りしてしまう。どこかで友情の期限が来たのかもしれない。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














