「自動車免許なんていらない」彼の影響で始めたバイク。だが、彼と別れた妹の信じられない行動とは
バイクにハマった妹
当時十八歳だった妹は、付き合っていた元彼の影響ですっかりバイクに夢中になっていた。
後ろに乗せてもらってツーリングに行くのが、楽しくて仕方なかったらしい。
やがて妹は、自分も免許を取ると言い始めた。
ただ、自動車の免許もなければ、講習に通うお金もない。
妹は母に相談した。母の答えは、親として当然のものだったと思う。
「車の免許ならお金を出すし、応援する」
すぐ飽きるだろうから、バイクは応援できない。
母はそう付け加えた。けれど妹は、頑として首を縦に振らなかった。
「自動車免許なんていらない」
欲しいのはバイクだけ。
妹はそう言い張り、結局は母にお金を借りて、バイクの講習へ通い始めてしまった。
預けっぱなしの三年
免許を取りきる前に、妹は早くも欲しいバイクを見つけてきた。
父も母も私も止めたが、妹は聞かなかった。
「これを逃したくないの」
家族の反対を押し切って、妹はまた母にローンを組ませ、その一台を手に入れた。
ところが妹は、免許を取りきる前に元彼と別れ、同時にバイクへの熱もすっかり冷ましてしまったのだ。
免許学校もやめ、買ったバイクには一度も乗らなかった。
行き場を失った車体を引き取ったのは、なんと別れた元彼の父親だった。
「うちで預かっておくよ」
その言葉に甘えて、妹のバイクは元彼の実家に三年も置かれたままになった。
別れた相手の親に、自分の不始末の後片づけをさせていたようなものだ。家族としては、頭を下げる思いだった。
戻らないお金
つい最近になって、妹はそのバイクをようやく知り合いに売った。
三年間ただ眠っていた一台が、ようやく持ち主の手を離れた。
けれど、母が払ったバイク代も免許代も、戻ってはこない。
今も母は、誰のためでもないローンを淡々と返し続けている。
当の妹は、その重さを分かっているのかどうか。私が尋ねても、ぴんと来ない顔でこう言うだけだ。
「だって、もう売っちゃったし」
売ってしまったから、おしまい。
妹の中では、それで完結しているらしい。母の負担も、元彼の父にかけた迷惑も、なかったことになっている。家族の制止を振り切った末がこれかと思うと、私の胸には行き場のないわだかまりだけが残った。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














