「えっ、想像の3倍ひどい!」壊れたサンダルを職場で見せた。同僚に涙を流して笑われた私が、帰り道で拾ったもの
底が崩れ始めていた通勤の朝
夏の通勤には、いつも同じサンダルをはいていました。厚いスポンジ底で、長い年月はき続けてきたお気に入りです。
その朝も玄関で足を入れていると、見送りに来た夫が私の足もとを見ました。
「それ、まだはくの?」
「まだ大丈夫だよ。足になじんでるんだから」
そう言って家を出たものの、歩いているうちに、足の裏にいつもと違う感覚がありました。
少しずつ高さがなくなっているような気がしたのです。
それでも「気のせいだろう」と歩き続け、駅の改札前でようやく足もとを見ると、私は固まりました。
スポンジの底がほとんどなくなっていたのです。
振り返ると、駅まで歩いてきた道にも、ところどころスポンジのかけらが落ちていました。
家へ戻る時間はありません。私はそのまま改札を抜けました。
電車の中でも、残った底がさらに崩れそうで落ち着きません。
できるだけかかとに体重をかけないよう、つま先に力を入れてつり革につかまっていました。
職場の最寄り駅に着くころには、足の指がじんじんしていました。
同僚が涙を流したサンダル
職場に着いてからも、誰にも言えないまま午前中を過ごしました。
昼休みになり、隣の席の同僚にようやく打ち明けました。
「朝、サンダルが壊れちゃって」
「え、どんなふうに?ひもが切れたとか?」
私は机の下から片方を取り出し、そっと見せました。
「えっ、想像の3倍ひどい!」
同僚はそう言った途端、机に突っぷして肩を震わせました。
顔を上げたときには、笑いすぎて目に涙まで浮かんでいます。
「底、ないじゃん。これで来たの?」
「来たよ。ずっとつま先に力入れて」
「よく来たね、それで!」
私も自分のサンダルを見ているうちにおかしくなり、結局ふたりでしばらく笑い続けました。
帰り道で拾った朝のかけら
帰りは、職場に置いてある上ばきのサンダルを借りました。
電車を降りて家まで歩いていると、朝に通った道のあちこちに、見覚えのあるスポンジのかけらが残っていました。
電柱の根もと、横断歩道の手前、植え込みのわき。
見つけるたびに拾っていると、手のひらはすぐにいっぱいになりました。
玄関に着き、その手を夫に見せると、しばらく黙ったあと、夫が言いました。
「おかえり。…まさか、全部拾ってきたの?」
「道に置いてくるのも嫌だったから」
夫はあきれたように笑いました。
次の休日、ふたりで新しいサンダルを買いに行きました。
売り場で私が新しい一足を試していると、夫が足もとを見ながら言いました。
「今度は、底が消える前に替えような」
さすがに今度ばかりは、私も素直にうなずきました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














