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2026.08.27(Thu)

「もう1回。負けたままじゃ終われない!」遊びで思わず大きな声を出した息子。だが、張り詰めた空気を和らげた伯父の一言

「もう1回。負けたままじゃ終われない!」遊びで思わず大きな声を出した息子。だが、張り詰めた空気を和らげた伯父の一言

端のほうで続いていた、子ども同士の勝負

その日は親戚が集まっていました。座敷には座卓が二つ並び、大人たちは湯呑みを手に、それぞれ話をしていました。

子どもたちは部屋の端に集まって遊んでいて、うちの息子と甥っ子は二人でゲームをしていました。

何度か勝負をしていたようですが、その回はなかなか決着がつきません。どちらかが少し有利になっても、すぐに追いつかれる。二人とも、いつの間にかかなり夢中になっていました。

そして最後に、息子が負けました。

「もう1回。負けたままじゃ終われない!」

思ったより大きな声でした。

近くにいた大人たちが何人かこちらを振り向き、息子もそれに気づいたようです。さっきまで勢いよく話していたのに、急に黙ってしまいました。

甥っ子もゲームに手を置いたまま、息子の顔を見ています。

私も声をかけようか迷いました。勝負に夢中になっていただけとはいえ、親戚が集まっている場所です。

少し声を抑えるよう言ったほうがいいのかもしれない。そう考えていたときでした。

湯呑みを置いて、伯父が口を開いた

座敷のいちばん奥にいた伯父が、湯呑みを置きました。

「俺も昔、負けたら1回だけ卓袱台をひっくり返したわ」

突然の話に、今度はみんなの視線が伯父へ向きました。

「あれは、じいさんに怒られたなあ」

伯父はそう言って笑いました。

「あんた、ほんまにやったん」

伯母が聞くと、伯父は少し得意そうな顔をしました。

「一回だけや」

それを聞いて、何人かが笑いました。

さっきまで息子に集まっていた視線は、いつの間にか伯父の昔話へ移っています。息子も最初はぽかんとしていましたが、やがて小さく笑っていました。

「もう一回やる?」

甥っ子がゲームを並べ直しました。

「やる」

息子もすぐに答えました。

それから二人は、また同じゲームを始めました。負けたほうが「もう一回」と言い、勝ったほうも付き合う。そのまま夕方まで、何度も勝負を続けていました。

帰りの車で、息子が思い出したこと

日が落ちてから、みんなで片づけをして帰りました。

車を走らせてしばらくすると、後ろの席から息子の声がしました。

「あれ、ほんまに卓袱台ひっくり返したんかな」

私は少し笑って答えました。

「どうやろね」

本当の話なのかどうかは分かりません。

ただ、伯父があの話をしたあと、息子ひとりに集まっていた視線が外れ、座敷がいつもの雰囲気に戻ったことはよく覚えています。

息子も、そのあと何事もなかったように甥っ子と遊び続けていました。

伯父がどこまで考えてあの昔話をしたのかは分かりません。それでも、誰かを責めるのではなく、自分の失敗談をひとつ挟んだことで、その場の空気がやわらいだのだと思います。

今でも親戚が集まると、ときどきあの日の伯父の笑顔を思い出します。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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