「早くしろ!責任者を出せ!」店員に詰め寄った客。だが、売り場の表示を確認して黙り込んだワケ
会計を終えた男性が、レジへ戻ってきた
夕方、買い物をするためにスーパーへ立ち寄ったときのことです。私がレジに並んでいると、会計を終えたばかりらしい男性が、レシートを手に戻ってきました。
男性は買い物袋を持ったまま、若い女性店員にレシートを見せます。
「売り場で見た値段と違うじゃないか」
かなり強い口調でした。店員は少し驚いた様子でしたが、すぐにレシートと商品を確認しました。
「申し訳ありません。売り場の表示を確認いたします」
ところが男性は、それでは納得できないようでした。
「こっちは安いと思って買ったんだ。値段が違うなら困るだろ」
店員がもう一度謝り、近くにいた別のスタッフへ売り場の確認を頼みます。その間も男性はレシートを指さしながら、不満そうに話し続けていました。
そして、とうとう声を大きくしました。
「早くしろ!責任者を出せ!」
周囲にいた客も、思わずそちらへ目を向けます。私も列に並んだまま、どうなるのだろうと様子を見ていました。
確認すると、隣の商品についていた価格だった
しばらくして、売り場を確認していたスタッフが戻ってきました。
店員は報告を聞くと、男性に落ち着いた声で説明します。
「こちらの商品は、レシートに記載されている金額で間違いないようです」
男性は眉をひそめました。
そこでスタッフが、男性が見たという売り場まで一緒に確認しに行くことになりました。
少しして戻ってきた男性は、先ほどまでとは明らかに様子が違っていました。大きかった声も聞こえません。
どうやら男性が安いと思っていた価格は、すぐ隣に並んでいた別の商品についていたものだったようです。
似た商品が並んでいたため、表示を取り違えて見てしまったのでしょう。
「……ああ、こっちの商品だったのか」
男性は小さな声でそう言うと、レシートを折りたたみました。
店員は男性を責めることなく、「紛らわしく感じられたようでしたら申し訳ありません」とだけ返しました。
大きかった声は、それ以上聞こえなかった
男性は少し気まずそうに視線をそらすと、「もういい」と言って、そのまま足早に店を出ていきました。
先ほどまで「責任者を出せ」と声を上げていた姿を見ていただけに、私は少し驚きました。
店員は一度息を整えるようにしてから、次に並んでいた私へ向き直ります。
「お待たせいたしました」
その言葉を聞いて、こちらまで少しほっとしました。
値段を見間違えること自体は、誰にでもあるかもしれません。ただ、確認する前から相手のミスだと決めつけて強く責めてしまえば、間違いに気づいたときに気まずさだけが残ります。
男性が去ったあとのレジでは、何事もなかったように会計が再開されました。私は商品を受け取りながら、最後まで落ち着いて確認を続けた店員の姿が、しばらく印象に残っていました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














