「責任者を呼べ!写真詐欺だろ!」ソースに怒鳴る男性客へ、近くの席の私がメニューの隅から示したものとは
ソースが少ないと怒鳴る男性客
男性客が運ばれたハンバーグを見て声を荒らげます
平日の十三時ごろ、会社員の私は、福岡市内のファミレスでひとりランチをしていました。
店内は混んでいて、斜め前の席には、眼鏡をかけた五十代くらいの男性が一人で座っていました。
しばらくして、若い女性の店員さんが、男性の席へハンバーグセットを運んできました。
皿がテーブルに置かれた、その瞬間でした。
「写真と違う!」
男性客はソースが少ないと言い、店員は追加を申し出ます
千八十円のハンバーグセットは、テーブルに立てられたメニューの写真と、ほとんど同じに見えました。
それでも男性は、店員さんをにらみつけました。
「ソースが少ない!」
店員さんは、嫌な顔ひとつせずに、丁寧に答えました。
「追加でお持ちしますね」
男性客は責任者を呼べと怒鳴り、周りは静まり返ります
店員さんが小さなカップにソースを入れて戻ってくると、男性はかえって声を大きくして、テーブルを指でたたきました。
「そういう問題じゃない!」
「責任者を呼べ!写真詐欺だろ!」
ほかの店員が責任者を呼びに走るあいだも、男性は「客をなめてる」と繰り返しました。
周りの席は静まり返り、店員さんはソースのカップを持ったまま、指先を震わせていました。
私も箸を止めたまま、何も言えませんでした。
メニューの隅に書かれていたこと
近くの席の女性がメニューを持ち、男性客の席の横へ行きます
そのとき、ふと目に入ったのが、私のテーブルに立てたメニューでした。同じハンバーグセットの写真が載っていて、その写真の下に、小さな文字の注記があることに気づいたのです。
店員さんが震えているのを見て、私は思い切って席を立ち、メニューを手に、男性の席の横へ行きました。男性は私に気づくと、顔を赤くしました。
「関係ない人は黙ってろ!」
それでも私は引かずに、メニューを開いて、写真の下を静かに示しました。
「ここに、盛り付けは一例と書いてあります」
男性客は写真の注記に言葉に詰まり、ソースが届きます
男性は、小さな文字を目で追って、言葉に詰まりました。注記には、盛り付けは一例であり、量は店によって異なる場合がある、と書かれていたのです。
周りのお客さんの視線も、男性に集まっています。
「…責任者はいい。ソース、追加でいい」
男性は急におとなしくなって、座ったまま黙り込みました。ソースのカップを持って立ちつくしていた店員さんが、おずおずと、男性の皿の横へカップを差し出しました。
「ソースです、どうぞ」
店員は近くの席の女性にお礼のデザートを出します
男性は黙ってソースをかけて食べ終えると、そそくさと会計をして帰っていきました。店員さんは深く息を吐いてから、私の席へ来てくれました。
「助かりました。デザートをどうぞ」
店員さんは、小さなデザートを私のテーブルに置いて、にっこり笑いました。私は遠慮がちに会釈して、店員さんに声をかけました。
「怖かったですよね」
店員さんは目に涙をためて、小さくうなずきました。そのデザートは、とても甘く感じました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














