「ここ、食べちゃだめだった?」我が家に遊びに来た友人と子供。だが、お弁当を広げる友人に感じた本音とは
拾った一粒を見て、やっと言えました
友人が小さな子どもを連れて、我が家に遊びに来た日のことです。しばらく会えていなかったので、玄関で顔を見たときは素直にうれしく思いました。
我が家では、子どもの遊び場にしている部屋では飲食をしないことにしています。食べこぼしで床が汚れるのが気になるため、何か食べるときはリビングへ移る。それが家族の中では当たり前になっていました。
ただ、当たり前になりすぎていて、家に来る人へ説明するという発想が私にはありませんでした。
その日、友人は遊び場の床に座ると、子どものためにお弁当を広げました。
「この部屋で子供に食べさせるね」
気をつかってくれているのは分かりました。それでも私は、「リビングでお願い」と言えませんでした。来て早々、我が家だけの決まりを押しつけるような気がしたからです。
結局、私は「うん」と答えました。そう答えた以上、あとになって気にするのも違う気がして、そのまま見ていました。
しばらくすると、床にご飯粒が落ちました。踏んでしまう前に拾おうと、私は何気なくしゃがみました。
「あ」
友人も気づいて床を見ます。見ると、一粒だけではなく、少し離れたところにも食べこぼしがありました。
友人は私の様子を見て、こう聞きました。
「ここ、食べちゃだめだった?」
そこで私は、ようやく言いました。
「この部屋は食べない場所にしているの。リビングでどうぞ」
友人が返したのは、思っていたより軽い一言でした
言ったあと、私は少し身構えていました。今さら言うのかと思われるかもしれない、と考えていたからです。
ところが友人は少し驚いたあと、笑って言いました。
「先に言ってよ、気づかなかった」
それだけでした。
友人は怒ることもなく、一緒に床を拭き、そのあとは子どもをリビングへ移して続きを食べさせました。子どもも特に気にする様子はありませんでした。
私は、ずっと言い出せずにいた自分のほうが拍子抜けしていました。友人はルールを無視していたのではなく、本当に知らなかっただけだったのです。
それからも、友人は変わらず遊びに来ています。食べ物を出すときには、自分から「リビングでいい?」と聞いてくれるようになりました。
私は「うん」と答えます。それだけで、以前のように床を気にしながら過ごすこともなくなりました。
振り返れば、友人に守ってほしいと思っていた決まりを、私は一度も伝えていませんでした。家の中では当たり前でも、初めて来た人には分からないことがあります。
あの日以来、気になる決まりがあるときは、相手が察してくれるのを待つのではなく、最初に短く伝えるようにしています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














