「せっかく作ってもらったのに、そんなこと言わないの」お盆の集まりで子供に注意した母親。だが、伯父の一言で笑顔に包まれたワケ
お盆の食卓は、朝からいっぱいでした
毎年お盆になると、祖父母の家には親戚が集まります。
その年は、祖父母を含めて三世代12人が泊まっていました。
朝起きれば洗面所には順番ができ、居間には誰かしら座っています。台所では祖母と伯母たちが朝から動き続けていました。
食卓には煮物、漬物、焼き魚。それに親戚が持ってきたお菓子や果物も並んでいます。
どれもおいしいのですが、前の日から似たような料理が続いていました。
昼が近づくころ、祖母が残った煮物を見ながら言いました。
「これも今日中に食べてもらわないとね」
すると、小学生のいとこが少し遠慮がちに口を開きました。
「今日のお昼、ピザとか食べたいな」
その母親がすぐに「せっかく作ってもらったのに、そんなこと言わないの」とたしなめました。
実は、大人も同じことを思っていました
けれど、その場にいた中学生のいとこが「僕も」と小さく続けました。
すると伯父まで笑いながら言いました。
「実は俺も、そろそろ違うものが食べたいと思ってた」
それを聞いて、何人かが笑いました。
私も同じ気持ちでしたが、朝から料理をしてくれている祖母の前では言いづらかったのです。
祖母は少し驚いた顔をしたあと、「なんだ、みんなそうだったの」と笑いました。
そのとき、黙って話を聞いていた祖父が新聞を畳みました。
「じゃあ今日はもう、違うもの食べようか」
そして祖母に向かって、「昼くらい、何もしなくていいだろ」と続けたのです。
祖母も一緒に座った昼ごはん
結局、その日の昼は近くの店にピザを注文することになりました。
子どもたちは歓声を上げ、大人たちは「何枚いるかな」「味を分けようか」と相談を始めました。
料理を温め直す必要もなくなり、祖母もようやく台所から離れて座布団に腰を下ろしました。
届いた箱を囲んでいると、祖父が一切れ手に取りながら言いました。
「こういうのも、たまにはいいな」
すると祖母が、「いちばん食べたかったの、おじいちゃんじゃないの」と笑います。
朝からずっと人の出入りが絶えなかった居間に、どっと笑い声が広がりました。
お盆だからといって、毎食きちんとした料理を並べなくてもいい。みんなで楽しく食べられれば、それで十分なのかもしれません。
何より、いつも台所に立っていた祖母が、その日は最初から最後まで一緒に食卓を囲んでいたことが印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














