「夕飯は自分で適当にするから」夫の実家で作ったカレー。だが、一度も箸をつけなかった義父が、二日目の朝に言った言葉
初めて泊まった義実家で、カレーを作った
結婚したてのころ、夫の実家に泊まりに行きました。義父は一人で暮らしていて、その日は仕事でした。
朝、出かける前に義父は「夕飯は自分で適当にするから、二人は好きなものを食べてくれ」と言っていました。そこで夫と相談し、夕方からカレーを作ることにしました。
二人分だけ作るのも難しく、鍋には少し多めに残りました。
もし義父が帰ってきて食べたくなったら出せるだろう、という気持ちもありました。
夕方、帰宅した義父は台所に入り、鍋の蓋を開けました。
「カレーか。俺は帰りに魚を買ってきたから、今日はそっちを食べるよ」
そう言うと、義父は買ってきた魚を自分で焼き始めました。私が作ったカレーには、その夜、一度も手をつけませんでした。
もともと自分の夕食は自分で用意すると言われていたので、文句を言うようなことではありません。
それでも、初めて義実家で作った料理だっただけに、私は少しだけ肩透かしを食ったような気持ちになりました。
すると夫が、「父さん、いつも食べるものは自分で決めてるから。せっかく作ったのに、って気にしなくていいよ」と言いました。
私は「そうなんだ」と答え、その日は夫と二人でカレーを食べました。
翌朝、義父が鍋を覗いて言ったこと
翌朝、私が台所で洗い物をしていると、義父が入ってきました。そしてコンロの上に置いてあった鍋を覗き込みました。
「そのカレー、まだ残ってるなら温めてくれ」
前の晩には一口も食べなかったので、私は思わず義父の顔を見ました。
「ありますよ。今、温めますね」
火にかけて皿に盛ると、義父は黙って食べ始めました。そして半分ほど食べたところで、ぽつりと言いました。
「昨日はもう魚を買ってたからな。これ、うまいな」
その言葉を聞いて、前の晩に感じていた引っかかりが消えていきました。料理を嫌がったわけではなく、義父には義父の予定があっただけだったのです。
それから義実家へ泊まりに行くときは、夕食を作る前に「今日は一緒に食べますか」と聞くようになりました。義父も「今日は自分で食べる」「それなら俺の分も頼む」と、先に言ってくれるようになりました。
カレーを作る日には、「明日の朝の分も残るくらいでいいぞ」と言われることもあります。
今でも大きな鍋でカレーを作ると、初めて義実家の台所に立った日のことを思い出します。相手の行動には、自分には見えていないだけで、案外単純な理由があることもあるのだと思った出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














