「これ、ぬるくない?」コーヒーへの不満を繰り返す客。だが、店長に救われた瞬間
コーヒーをひと口飲んだ客から呼び止められた
カフェで働いていた頃のことです。夕方の店内は、仕事帰りのお客様や休憩中の方でほどよくにぎわっていました。
その日、六十代くらいの女性のお客様からコーヒーの注文を受けました。いつもどおり用意して席へお持ちしたのですが、ひと口飲んだところで呼び止められました。
「これ、ぬるくない?」
私は謝り、新しく淹れ直したものと交換しました。これで落ち着くかと思ったのですが、今度は別のことを聞かれました。
「砂糖はついてないの?」
「砂糖はあちらにご用意しております。ご自由にお取りいただく形になっています」
そう説明しましたが、女性は納得できない様子でした。
「さっきから、こっちが言わないと何もしないじゃない」
私はもう一度説明しようとしましたが、女性の声は次第に大きくなっていきます。
「店長を今すぐ出して、話にならないわ」
周囲のお客様の視線がこちらへ向き、私はどう対応すればいいのか分からなくなっていました。
店長が確認したのは、それまでの対応だった
声に気づいた店長がカウンターから出てきました。
「お待たせしました。どうされましたか」
女性は、最初のコーヒーがぬるかったことや、砂糖について案内がなかったことを話しました。
店長は話を遮らずに聞いたあと、私にも注文を受けてからの経緯を確認しました。
「最初のコーヒーについては、すでに新しいものへ交換させていただいています。砂糖は店内のこちらからお取りいただく形です」
店長はそう説明し、砂糖が置いてある場所も改めて案内しました。
女性はまだ不満そうでしたが、先ほどまでの勢いは少し弱くなっていました。
「こちらでできる対応はいたします。ただ、スタッフへの強い言い方はお控えいただけますか」
店長が落ち着いた声で伝えると、女性はしばらく黙ったあと、それ以上は何も言いませんでした。
やがて女性が店を出たあと、店長は私に声をかけました。
「ちゃんと対応していたから大丈夫。困ったときは、早めに呼んでね」
それを聞いて、ようやく肩の力が抜けました。
お客様の要望にはできる限り応える必要があります。それでも、一人で抱え込まず、難しいと感じた時点で周囲に助けを求めることも大切なのだと感じた出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














