「あまりお金をかけない感じ?」何でも比較してしまうママ友との会話。だが、普段は口を挟まないママの一言で、空気が変わった瞬間
いつも静かに待っていたママ
子どもの習い事の待ち時間は、いつも同じ顔ぶれでした。その中に、あまり会話に入ってこないママがいました。挨拶を交わすくらいで、自分の家のことを話しているところも、ほとんど見たことがありません。
一方で、よく家族の話をするママもいました。
「今年も家族で旅行に行くの。予約を取るのが大変で」
「食べるものには、小さいころから気をつけてるんだ」
私はそのたびに「そうなんですね」と返していました。本人はただ自分の話をしたいだけなのかもしれません。それでも、話が誰かとの比較になると、少し居心地の悪さを感じることがありました。
その日も旅行の話から、子どもにどれくらいお金をかけているかという話になりました。
すると、そのママが私に向かって言いました。
「うちは毎年新幹線で旅行するけど、そういうところにはあまりお金をかけない感じ?」
どう答えればいいのか分からず、私は黙ってしまいました。周りのママたちも、すぐには言葉を返しませんでした。
何気ない一言で、話の流れが変わった
その沈黙の中で口を開いたのが、いつも静かに待っていたママでした。
「お金のかけ方って、家によって違うから比べなくていいよ」
責めるような言い方ではありませんでした。続けて、穏やかな声で言いました。
「旅行が好きな家もあるし、別のことを大事にする家もあるもんね」
「本当にそうですね」
別のママがそう言うと、何人かがうなずきました。
話を振ったママも何か言いかけたようでしたが、少し間を置いて「……そうだね」と答えました。そのあとは誰かが習い事の話を始め、会話はいつもの雰囲気に戻っていきました。
それ以降、そのママが誰かの家庭と自分の家を比べるような話をすることは、以前より少なくなりました。悪気があったのかは分かりません。ただ、自分の選んだことを話したい人だったのかもしれません。
帰り際、私はあのママに「さっきはありがとうございました」と伝えました。
すると、「そんな大したこと言ってないよ」と笑いました。
それからは、送り迎えで顔を合わせると少し話をするようになりました。天気のことや、子どもが最近好きなもののこと。家庭を比べる話は出ません。
普段は静かな人でも、必要なときに自然な一言を出せることがあるのだと、今でも覚えています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














