「あの人って、家族とは実際どうだったの?」法事で答えにくい質問を繰り返す叔父。だが、親戚の一言で空気が一変
香典を置いた叔父が、古いパソコンを指さした
親戚の法事で、本家の座敷に人が集まっていたときのことです。
私はお茶を配りながら、久しぶりに顔を合わせる親戚たちに挨拶をしていました。
その中に、普段は仕事が忙しいと言って、こうした集まりにはあまり来ない叔父がいました。
今日は来てくれたのだと、最初はそれだけに思っていました。
叔父は香典を渡して座ると、部屋の隅に置かれた古いパソコンを見て言いました。
「なんでまだこんなの使ってるの?」
本家の人が少し困ったように笑うと、近くの親戚が「ちゃんと動いてるんだからいいじゃない」と返しました。
叔父に悪気があるようには見えません。ただ、気になったことをそのまま口にしてしまうようでした。
湯呑みを下げに台所へ行くと、同じように席を立った親戚の一人が小さく息を吐きました。
「そんな話やめてよ」
怒っているというより、どう対応したものか困っている様子でした。
娘さんの前でも、叔父の質問は続いた
しばらくしてお膳が並び、話題は亡くなった親戚の思い出になりました。よく笑う人だったことや、元気だった頃の話を、みんなで静かに振り返っていました。
故人の娘さんも、近くでうなずきながら聞いています。
そんな中、叔父がふいに口を開きました。
「あの人って、家族とは実際どうだったの?何かあったりしなかった?」
座敷が静かになりました。
故人について話しているとはいえ、娘さん本人がいる席で確かめるようなことではありません。娘さんも湯呑みに視線を落としたまま、何も答えませんでした。
そこで、先ほど台所にいた親戚の一人が叔父を見ました。
「今日は法事です。その話は、ここですることじゃないと思いますよ」
責めるような声ではありませんでした。
叔父も周囲の様子に気づいたのか、少し黙ったあと、「……そうか。悪かった」とだけ答えました。
その後は別の親戚が故人との思い出を話し始め、少しずつ会話が戻っていきました。
帰り際、娘さんは声をかけた親戚に「言ってもらえて助かりました」と頭を下げていました。
叔父にも悪意はなかったのかもしれません。ただ、思ったことをそのまま口にしていい場面ばかりではありません。
強く責めるのではなく、その場で必要なことだけを伝えた親戚の一言に、私もほっとした出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














