「毎晩のくしゃみ、うるさいのよ」ペット不可のマンションで猫の鳴き声を否定する隣人。玄関先で現れた猫に硬直
夜ごとのくしゃみ
夜になるとくしゃみが出る私。隣の部屋からは毎晩、鈴の音と猫の声が聞こえてきます
私は駅前のドラッグストアで働いています。もともと鼻炎気味で、夜になるとくしゃみが続くことがあります。
今のマンションを選んだのは、ペット不可で静かに暮らせそうだと思ったからでした。
ところが2週間前、隣の部屋に女性が越してきてから、夜になると壁の向こうで小さな鈴の音と、細い鳴き声がするようになりました。
最初は気のせいかと思いましたが、何日も続きます。壁越しなので音は小さいものの、夜の静かな時間にはっきり聞こえるのです。
ある朝、1階のエントランスで隣の女性と一緒になりました。女性は私を見るなり、眉をひそめます。
「毎晩のくしゃみ、うるさいのよ。」
「猫の声が、するんです。」
隣の女性は動画の音だと笑い、ここはペット不可だと言いました
思い切ってそう言うと、女性は鼻で笑いました。
「動画の音でしょ。」
「ここ、ペット不可よ?」
飼えるわけがない、と言わんばかりに肩をすくめ、女性は先に出ていきました。
確かに、私が聞いたのは鳴き声と鈴の音だけです。動画を流している可能性も否定できません。
それでも、毎晩同じような音がすることが気になり、私はスマートフォンに音が聞こえる時間帯を記録するようになりました。
その夜も鈴が鳴り、私は隣の部屋のチャイムを押しました
その夜、仕事から帰ると、また壁の向こうで鈴が鳴りました。
私は一度管理会社に相談することも考えました。しかし、まずは隣の女性と落ち着いて話ができないかと思い、チャイムを押しました。
ドアが半分ほど開き、女性が縁を握って入口に立ちました。
「またあなた?」
「今、鈴の音がしましたよね?」
管理会社を持ち出す脅し
生き物はいないと言い切られ、嫌がらせだと脅されてしまいました
女性はドアの縁を握ったまま、声を張り上げました。
「部屋に生き物は一度も入れてない!」
「嫌がらせだって管理会社に言うわ!」
突然強い口調で責められ、私は言葉に詰まりました。
管理会社に相談すれば、状況を確認してもらえるかもしれません。ただ、今の私には猫を飼っていると断言できる証拠がありません。
このまま言い争いを続けても、話は平行線になりそうでした。
私はうつむいて、手を握りしめました。
おやつの袋を振ると、鈴の首輪をつけた白い猫が靴箱に飛び乗りました
そのとき、私はカーディガンのポケットに入れていた小さな袋を思い出しました。
勤め先のドラッグストアで買った猫用のおやつです。猫を飼っている同僚から、袋の音に反応して近寄ってくる猫もいると聞き、念のため持ってきていました。
もちろん、どの猫も反応するとは限りません。それでも、確かめるきっかけになるかもしれないと思ったのです。
私はドアの隙間の前で、袋を軽く振りました。
カサッと小さな音がした、そのときです。
女性の背後から、チリンという鈴の音が聞こえました。
開いたドアの奥から白い猫が姿を見せ、玄関の靴箱に飛び乗ったのです。首には赤い首輪があり、小さな鈴がついていました。
猫は興味深そうに、私の持つ袋をじっと見つめています。
「これ、猫のおやつです。」
「この子、奥から来ましたよね?」
女性の表情が一瞬で変わりました。
ペット不可のことは、明日私から管理会社に伝えると告げました
女性が慌てて振り返ると、猫は部屋の奥へ逃げ込んでいきました。
女性の声が裏返ります。
「今日だけ、預かってるの!」
「一度も入れてないんですよね?」
ほんの数分前に、女性自身が言い切った言葉です。
少なくとも、部屋に猫がいることは確認できました。それに、私が記録していた鈴の音や鳴き声は、2週間近く続いています。
女性はドアの縁を握ったまま、体を固くして動かなくなりました。
私は、明日、これまで記録した内容と今日見たことを管理会社に伝えるつもりだと告げました。
ペット不可の物件で猫を預かることが認められるのかどうかも、管理会社に確認してもらおうと思います。
女性から返事はありませんでした。
私はおやつの袋をしまい、それ以上言い争うことなく、自分の部屋に戻りました。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














