「使い切ったら補充しろ!」コピー機の紙切れに怒鳴り、犯人捜しを私に命じる部長。だが、自分の言葉を返されて白旗
コピー機の前の怒鳴り声
週明けの午後、部長がコピー機の前で怒鳴りはじめました
私は、住宅設備の会社で営業事務をしています。席は、フロアの隅にあるコピー機のすぐ隣です。
週明けの午後、静かなフロアに部長の声が響きました。コピー機は用紙切れで止まり、給紙トレイが空のまま引き出されています。部長はその前に少し離れて立ち、左脇に閉じた紺のファイルをはさんでいます。
「誰だ、最後に使ったのは!」
「使い切ったら補充しろ!」
部長は、マナーと効率に人一倍うるさい人です。少しのミスでも、みんなの前で長い説教が始まります。
部長は、席が一番近い私に補充と犯人捜しを命じました
部長は、私のほうへ向き直りました。コピー機に一番近い席にいるという理由で、私を指さします。
「君が補充して、犯人も捜せ!」
私は立ち上がりました。まずは目の前にいる部長に、念のため尋ねてみます。
「部長は今日、印刷されましたか?」
部長は、今日は一枚も刷っていないと言い切りました
部長は、すぐに声を張り上げました。
「私は今日、一枚も刷ってない!」
「この機械には指一本触れてない!」
部長は胸を張り、フロアをぐるりと見回しました。自分を疑うことなど許さないと言わんばかりの態度です。
誰も顔を上げないフロア
誰も顔を上げないまま、私は用紙の包みを取りに行きました
名乗り出る人はいません。誰も顔を上げず、キーボードの音だけが続きます。
「卑怯者は私が指導してやる!」
去年、会議で部長に口答えした先輩は、半年も雑用ばかり回されていました。ここで反論すれば、次に雑用を回されるのは私かもしれません。私は棚からコピー用紙の包みを持ってきました。
「すぐに、補充します。」
用紙を足すと、部長の釣りの写真が続けて出てきました
トレイに用紙を入れて引き出しを閉めると、コピー機が動き出し、紙を一枚、また一枚と吐き出しはじめました。
出てきたのは、大きな魚を両手で抱えて笑う、部長の釣りの写真です。さらに、排紙トレイに裏向きで残っていた数枚の紙を確認すると、そちらにも同じ写真が印刷されていました。
どうやら、部長が釣りの写真を何枚も印刷している途中で、用紙がなくなったようです。
以前にも、このコピー機が用紙切れで止まり、補充後に印刷を再開するのを見たことがありました。今回も、紙を足せば中断していた印刷の続きが出てくるかもしれないと思っていたのです。
私は印刷された写真を一枚手に取り、部長に向けました。
部長は写真を見るなり、あわてて右手を振りました。
「私は席から送っただけだ!」
「一枚も刷ってないとおっしゃいました。」
確かに部長は、直接コピー機を操作していなかったのでしょう。しかし、席のパソコンから印刷データを送っても、実際に紙を使うのはこの機械です。
顔を赤くした部長は、最後に使ったのは自分だと認めました
コピー機の奥の席の同僚が、口元を手で押さえて肩を震わせました。部長は脇のファイルをぎゅっとはさみ直し、顔を赤くして、私がそろえた写真を受け取りました。
「…最後に使ったのは私だ。」
部長は、紙が切れた時点で残りの印刷データは消えたと思い込んでいたのかもしれません。ところが、用紙を補充したことで、自分が印刷した写真が次々と出てきてしまったのです。
あれほど犯人捜しを命じていた部長が、自分で印刷していたことを認めるとは思いませんでした。次に紙が切れたとき、黙って用紙の包みを抱えていたのは部長でした。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














