「自分は謝らないんだね」レジで店員を責め続けた男性客。売り場の確認が終わったあと、列から漏れた一言
値段が違うと怒り出した男性客
夕方、近所のスーパーへ夕飯の買い物に行ったときのことです。
店内は仕事帰りのお客さんで混み合い、レジには長い列ができていました。
私はかごを手に、60代くらいの男性のすぐ後ろに並んでいました。
やがて男性の番になり、若い女性の店員さんが商品を読み取っていきます。
ところが、金額が表示されたとたん、男性が画面をのぞき込みました。
「なんだこれ。高いじゃないか」
店員さんが顔を上げると、男性はレジ台に手をついて言いました。
「売り場じゃ、もっと安かったぞ。どうなってるんだ!」
突然の大声に、私は思わず顔を上げました。店員さんは驚いた様子でしたが、すぐに頭を下げました。
「申し訳ございません。すぐに確認いたします」
店員さんが呼び出しボタンを押すと、別の男性店員がやってきて、売り場の値札を確認しに行きました。
これで落ち着くかと思ったのですが、男性客の怒りは収まりません。
「お前たちはいつもこうだ。客をばかにしてるのか」
「申し訳ありません。確認しておりますので、もう少し…」
「謝ればいいと思ってるのか!」
さらに男性は「責任者を呼べ!」と声を荒らげました。
若い店員さんは何度も頭を下げています。
最初は落ち着いていた声も、途中から少し震えていました。
私の前の会計は止まったまま。後ろにもお客さんが並んでいて、誰もが困った様子でした。
別のレジへ移ろうかとも思いましたが、どこも混んでいます。結局、その場で待つしかありませんでした。
気づけば、10分ほどが過ぎていました。
店員の説明に、男性客が言葉を失った瞬間
ようやく、売り場を確認しに行った男性店員が戻ってきました。
レジの横に立つと、男性客に向かって落ち着いた声で説明を始めました。
「お待たせしました。値札を確認してきました」
男性客は不機嫌そうに店員を見ています。
「お客様がご覧になった特売の値札ですが、隣の商品のものでした。こちらの商品は、レジに表示されている金額で間違いありません」
その言葉を聞いた瞬間、男性客の表情が変わりました。
口を開きかけたものの、何も言いません。
先ほどまでの大声がうそのように、急に静かになったのです。
私もすぐ後ろから、その様子を見ていました。
男性はしばらく黙っていましたが、やがて不機嫌そうな顔のままお金を払い、商品を手に取りました。
店員さんへの謝罪はありません。そのまま出口へ向かって歩き始めました。
すると、後ろの列から小さな声が聞こえました。
「自分は謝らないんだね」
私も、まったく同じことを考えていました。
男性は振り返ることなく、自動ドアの向こうへ消えていきました。
ようやく私の番になり、かごをレジ台に置きました。先ほどまで怒鳴られていた店員さんに、思わず声をかけました。
「大変でしたね……」
店員さんは少しだけ笑って、頭を下げました。
「ありがとうございます。長くお待たせして、すみません」
その丁寧な対応に、私のほうが恐縮してしまいました。
あれほど店員さんに謝罪を求めていたのに、自分の勘違いが分かると何も言わずに立ち去った男性客。
買い物を終えたあとも、その対照的な姿が強く印象に残っていました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














