「さっさと進まんかい!」タイムサービスの列に割り込んだ男性客。最後尾に並び直したあと、目にした光景
タイムサービスの列に割り込んできた男性
夕方、買い物に立ち寄ったスーパーでのことです。
「ただいまからタイムサービスです!」
売り場から呼び込みの声が聞こえてきました。夕飯のおかずにちょうどよさそうだったので、私もかごを持って列の最後尾に並びました。
お客さんたちは順番に品物を受け取り、列は少しずつ進んでいました。
しばらくすると、男性客がこちらへ歩いてきました。
少し前に、別の売り場で安売りの品を取り合っているのを見かけた男性です。
男性は列を見渡すと、いきなり私の前に割り込んできました。
「えっ…」
思わず声が出ましたが、男性は振り返りもしません。
それどころか、列がなかなか進まないことにいら立っているようで、何度も舌打ちをしていました。
「なんや、全然進まへんやないか…」
周囲のお客さんも気にしている様子でしたが、男性はお構いなしです。
そして、前にいたお客さんが値札を確認するために立ち止まったとき、突然大きな声を上げました。
「ぼさっと並んどらんと、さっさと進まんかい!」
驚いたお客さんたちが、一斉に振り返りました。
私は思わず男性の背中を見つめました。こちらはずっと順番を待っていたのに、割り込んできた人に急かされるなんて、納得がいきませんでした。
店員の一言と、売り切れの札
そのとき、近くで品出しをしていた女性店員が、怒鳴り声に気づいてやってきました。
「お客様、どうされましたか?」
「前がとろいんや!こっちは急いどるんやから、早よしてくれ!」
男性が声を荒らげます。
店員が困った様子で列を見渡したので、私は思い切って声をかけました。
「すみません。この人、さっき私の前に割り込んできたんです」
「えっ、そうなんですか?」
店員が男性に目を向けると、男性は不満そうに言いました。
「ちょっとくらいええやろ。急いどるんや」
店員は落ち着いた声で答えました。
「申し訳ありませんが、皆さん順番に並んでいただいていますので」
そして、列の後方を手で示しました。
「最後尾はあちらです」
「いや、そやけど…」
男性は何か言い返そうとしましたが、周囲のお客さんも男性のほうを見ています。
すると、前のほうにいたお客さんが、ぽつりと言いました。
「ちゃんと並んでる人のほうが、ずっと待ってるのにね」
その言葉を聞いた男性は、不満そうな表情のまま、かごを持って列の最後尾へ移動しました。
ようやく静かになり、私たちの列も再び進み始めました。
やがて私の番になり、無事に目当ての品を受け取ることができました。
ところが、売り場を離れようとしたときです。
女性店員がワゴンの前に札を立てているのが見えました。
そこには「本日分は終了しました」と書かれていました。
ふと列の後方を見ると、先ほどの男性が身を乗り出していました。
男性も札に気づいたようです。
さっきまであれほど声を荒らげていたのに、今度は何も言わず、がっくりと肩を落としていました。
かごを提げたまま動かない男性の姿を見て、私はなんとも言えない気持ちになりました。
急いでいたのかもしれません。でも、最初からきちんと並んでいれば、少なくとも周囲のお客さんを困らせることはなかったはずです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














