「どうせ誰も使ってない区画だろ」毎週無断駐車していた男性。だが、引っ越しの朝に部屋着で呼び出された瞬間
白い線を越えてきた週末の車
私の住むアパートは2階建てで、駐車場には契約者用の区画が6台分あります。その奥には、来客が一時的に使えるスペースも1台分ありました。
隣の区画が空いてから、週末になると、そこに同じ車が止まるようになりました。
2階の部屋へ泊まりに来る、30代くらいの男性の車です。
来客用のスペースが空いていても、男性はいつも隣の区画に止めていました。
ある晩には、車体が白線を越え、私の区画に半分ほどはみ出していました。
ちょうど運転席から降りてきた男性に、思い切って声をかけました。
「すみません。そこ、契約している人の区画です。それに、こっちにもはみ出してますよ」
男性は車を振り返ったものの、動かそうとはしませんでした。
「今、空いてるんだから別にいいでしょ」
そう言うと、そのまま階段を上がっていきました。
次の週末の朝、また同じ場所に車が止まっていたため、私はもう一度伝えました。
「来客用のスペース、奥にありますよ」
すると男性は面倒そうな顔をしました。
「どうせ誰も使ってない区画だろ。車くらい停めさせろよ」
「でも、契約者用ですよね」
「あんたの区画じゃないんだから、関係ないじゃん」
それ以上言い合うのはやめました。代わりに、その日から週末に車が止まっている様子を写真に残し、日付と分かる範囲の状況を管理会社へ送るようにしました。
引っ越しの朝、ついに空けることに
それから2か月ほどたった土曜の朝。出かけようと駐車場へ出ると、隣の区画の近くに引っ越しのトラックが止まっていました。
新しく越してくる40代くらいの男性と、管理会社の担当者が、無断で止まったままの車を見ています。
担当者は2階へ向かいました。
しばらくするとドアが開き、例の男性がスウェット姿で顔を出しました。
「何ですか、こんな朝から」
担当者に促され、男性はサンダルのまま駐車場まで下りてきました。
そこで担当者は、隣に立つ新しい入居者を示しながら言いました。
「こちらの区画は、今日からこの方が契約されています。これまで無断で止められていたことも確認していますので、すぐに車を移動してください」
男性は一瞬、何も言えない様子で止まっていました。
目の前には新しい入居者がいて、その後ろでは引っ越し作業も始まろうとしています。
「今後は契約していない区画には止めないでください」
担当者にそう言われると、男性は小さく「…分かりました」と答えました。
そして部屋着のまま車に乗り込み、その区画から出ていきました。
あの車がアパートの駐車場に止まったのは、それが最後です。その日のうちに、隣の区画には新しく越してきた住人の車が止まりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














