「誰よ!全部のボタン押したの!」朝のエレベーターで激怒するお局。しかし、犯人の正体に一同大爆笑
憂鬱な朝のエレベーター
朝のオフィスビルは、出勤を急ぐ社員たちで戦場のような慌ただしさです。
その日、私は始業時間ギリギリでエレベーターに駆け込みました。
「ふぅ、なんとか間に合った…」
安堵したのも束の間、私の視界に一番入りたくない人物の姿が飛び込んできました。社内で有名な、いつもマウントをとってくるお局様です。
彼女は今日も朝から気合十分。肩には、海外旅行にでも行くのかとツッコミたくなるほど、やたらと巨大なブランドバッグをドヤ顔で見せびらかすように提げています。
運悪く、満員に近いエレベーター内。彼女のその大きすぎるバッグのせいで、周囲の人たちは窮屈そうに肩をすぼめていました。
(朝から最悪なタイミングで一緒になっちゃったな……)
私はなるべく目を合わせないように、息を潜めて階数表示を見つめました。
キレ散らかすお局様と、まさかの犯人
扉が閉まり、エレベーターが上昇し始めました。
ところが、2階、3階、4階……。
なぜか、各階で律儀にエレベーターが停止するのです。ドアが開いても、誰も乗ってこないし、誰も降りません。
「ちょっと、なんなのよ!急いでるのに!」
静かな車内に、お局様の甲高い怒声が響き渡りました。チッと盛大な舌打ちまで聞こえてきます。
「誰よ!ふざけてボタン押したの!」
お局様は般若のような顔で、周囲の若手社員たちをギロリと睨みつけました。あまりの剣幕に、車内は凍りつくような空気に包まれます。
しかし、誰かがイタズラをした様子はありません。一体なぜ?
ふと、私が操作盤のほうへ視線を移した瞬間…その謎はあっけなく解けました。
煌々と光り輝く、全階のランプ。
そして、そのボタンの真ん中に、力強く押し当てられているもの。
それは他でもない、お局様が肩から提げている「自慢の巨大ブランドバッグ」だったのです。
満員のエレベーター内で身動きが取れないお局様は、無意識のうちに自分のバッグで操作盤を全押ししていたのでした。
「…あっ」
誰かの小さな声が漏れました。どうやら私だけでなく、周囲の社員たちもその事実に気がついたようです。
クスクス、プッ……。
さっきまでのピリついた空気は一変し、車内のあちこちから笑いを堪える声が漏れ始めました。
みんなの視線の先に気づいたお局様は、ハッとして自分のバッグと操作盤を交互に見比べます。
「なっ……!」
瞬間、彼女の顔は茹でダコのように真っ赤に染まりました。次の階でドアが開くや否や、お局様は自分のフロアでもないのに、逃げるように降りていきました。
残された私たちのお腹の底からの笑い声が、閉まっていくエレベーターのドアの隙間に吸い込まれていきます。憂鬱だったはずの朝が、最高にスカッとする一日の始まりに変わった瞬間でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














