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2026.06.03(Wed)

「ねえ、私たち何かした?」6年間、挨拶を交わした隣家全員が突然口を閉ざした。確かめられない状況に抱えたジレンマ

「ねえ、私たち何かした?」6年間、挨拶を交わした隣家全員が突然口を閉ざした。確かめられない状況に抱えたジレンマ

ある週末を境に空気が変わった

引っ越して6年、隣の家とはいい距離感で付き合ってきた。

朝のゴミ出しで顔を合わせれば「おはようございます」。

台風の前日には「お気をつけて」と声をかけ合う。

娘も隣の奥さんと玄関先で話すことがあった。

特別に親しいわけではないが、互いに気にかけている関係だと思っていた。

いつものように「おはようございます」と声をかけた、あの月曜日まで。

隣の奥さんは目を伏せたまま通り過ぎた。

一歩先に踏み出した足が、そのまま止まりそうになった。気のせいかもしれない、と思った。

でも翌日も、その翌日も、同じだった。

隣家のご主人も、大学生の息子さんも、誰も振り返らなかった。

視線だけがこちらに向いて、すぐにそれる。

まるで透明な壁が立ちふさがっているようだった。

「ねえ、私たち何かした?」

夫に聞くと、「俺も同じ扱いだった」と静かに言った。

家族で話し合ったが、誰も思い当たることを挙げられなかった。声が大きかった日、ゴミ出しの時間が少しずれた日、娘の友達が玄関先でにぎやかにしていた土曜日。

そういった場面を一つひとつ並べても、答えにたどり着けなかった。

確かめられないから、終われない

(聞きに行けばよかったのかもしれない)と、何度も考えた。

でも何を聞けばいいのか。

「なぜ挨拶を返してくれないんですか」とは、玄関先で言い出せるものではない。

相手が黙っている限り、こちらから切り出しても、関係をもっと遠くしてしまう気がした。

心当たりがないのに謝りに行くのも、何か違う気がした。

春が過ぎ、夏が来て、年が明けた。

毎朝、門扉を出るときに一瞬だけ足が止まる。

もう慣れたつもりでいるのに、体はまだ覚えている。隣の玄関灯が点いているのが見えるだけで、胸の奥がざわりとする。

今日もまた、隣の家の前には誰もいなかった。

声をかける機会も、理由を知る機会も、来ないまま時間だけが積み重なっていく。

ゴミ出しの曜日に顔を合わせるたびに、足が一瞬だけ止まる。

目が合いそうになって、それがそれる。

あの交流があった日常が遠く感じられる。6年間積み上げてきた関係は、あの週末を境に音もなく変わった。

もしかしたら向こうはもうとっくに忘れているのかもしれない。

でも、何かした覚えのないこちらには、その「何か」だけが今も宙ぶらりんのまま残っている。

朝の玄関の光景は今日も変わらない。答えのないまま、続いている。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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