tend Editorial Team

2026.06.04(Thu)

「うちは代々欠かさずやってきた」同居10年で響き続けた義母の口癖→義母と合わない価値観に抱えたジレンマ

「うちは代々欠かさずやってきた」同居10年で響き続けた義母の口癖→義母と合わない価値観に抱えたジレンマ

義母の家で始まった新しい生活

妻の実家に義母と同居して、もう十年以上になる。

古い一軒家で、先代から続く慣習が今も日常に溶け込んでいる。

朝に手を合わせ、節目に作法を守る。

自分にはなじみのない習慣だったが、義母のやり方を受け入れながらやってきた。

義母自身は穏やかな人で、無理に押しつけてくることもない。

それでも、ある口癖だけが長年引っかかり続けている。

妻に話してみたことがあるが、「昔からそういう人だから」と笑って流された。

何事もなく済んだとき必ず出る言葉

家族の誰かが無事だったとき、大きなトラブルを免れたとき、義母は決まってこう言う。

「うちは代々欠かさずやってきた」

「だから守られてるの」

口調は穏やかで、自慢しているわけではなさそうだ。

ただ事実として述べているだけのように聞こえる。目を細めて柔らかく笑う表情は、長年そう信じて生きてきた人のそれだった。

そのたびに「そうですね」と返してきた。十年でそれが習慣になった。

ある夜、子どもが自転車で転んで軽い擦り傷で帰ってきた。

安堵したのも束の間、義母がその言葉を繰り返した。

「守られている」という言い方は、反対側に「守られていない」人間を置くことになる。

代々続けてきたから助かる、ならば、続けていない人間はどうなるのか。

気づいてしまったら言葉が出なかった

義母を問い詰めたいわけではない。

長年続けてきた習慣を心から信じているのだろうし、そこに温かみがあることも伝わってくる。悪意があるとは思いたくない。

それでも一度気づいてしまうと、その言葉の重さが変わった。自分がこの家のしきたりに心から溶け込めていないことへの、静かな批評のように聞こえてしまう。

妻に話してみたが「昔からそういう人だし」と笑って終わった。悪意がないことは分かっている。

「そうですね」という返事を続けながら、内側で何かを抱えている。義母のことは嫌いではない。

だからこそ、そのひと言のたびに言葉を失う。長い同居生活の中で、あの言葉をうまく受け流せる日が来るのだろうかとも考える。夕食後の沈黙の中で、そのモヤモヤだけがいつまでも残り続けた。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.06.04(Thu)

「ここからは私がやるね」派遣の私の成果を横取りする正社員。だが、先輩の行動を報告した結果
tend Editorial Team

NEW 2026.06.04(Thu)

国勢調査速報で判明した5年で300万人以上の人口急減がもたらす衝撃と縮小社会に立ち向かう日本の未来予想図
tend Editorial Team

NEW 2026.06.04(Thu)

「俺の視点で整理し直した方がいい。確認させてくれ」プレゼン前に資料を奪った先輩。だが、部長に全てを明かした結果
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.02.06(Fri)

元TOKIO・長瀬智也「今までと違う選択をしなければならない」と衆院選に言及→「例えがわかりやすい」「影響力ある人がどん...
tend Editorial Team

2025.10.08(Wed)

Aぇ! group『草間リチャード敬太』、公然わいせつ容疑で釈放後に深々と謝罪。SNSでは「もう再起不能」と厳しい声も
tend Editorial Team

2026.02.21(Sat)

アリサ・リュウの金メダルに昭和世代が既視感?令和の氷上に現れたアン・ルイス再来の衝撃と、スポーツ中継が呼び起こす懐旧の情
tend Editorial Team