「ここからは私がやるね」派遣の私の成果を横取りする正社員。だが、先輩の行動を報告した結果
最初から「格下」と見られていた
派遣スタッフとして中堅の製造業に入社した。
担当についた正社員は、最初から一定の距離感で接してくるタイプだった。
業務を覚え始めた段階でミスをすると、口では何も言わないが態度で示す。
溜め息を吐く、ほかのスタッフに耳打ちをする、こちらの確認を待たずに別の人へ振り直す。
「これだから派遣は」という言葉は一度も口に出なかったが、その意味はあらゆる動作から滲み出ていた。
取引先とのメールのやり取りで評価されると、今度は仕事を引き取っていく。
「ここからは私がやるね」
笑顔でそう言って、面倒な雑務だけを私の手元に残していった。
成果は持っていかれ、手間だけが机に積まれる日々だった。
相談ではなく記録に切り替えた
派遣会社に状況を話したが、「穏便に」という言葉しか返ってこなかった。
感情的に訴えても動いてもらえないと分かった時点で、記録を取り始めた。
日付・場所・内容・その場の状況を退勤後に書き残す。感情は入れず、事実だけをメモする。
それを続けること一年近く。気づけばかなりの量になっていた。証拠となるメールも消さずに手元に残しておいた。記録することで、自分の消耗が少し和らぐ感覚もあった。
雇用形態を理由にした扱いの差が、社内のどの基準に照らして問題になるかも調べた。コンプライアンス部の窓口アドレスも早い段階で確認しておいた。
退職前日に送信した一通のメール
会社と派遣会社を辞める前日、記録をまとめたドキュメントと証拠のメールをコンプライアンス窓口に送った。
同日、派遣会社にも退職の意向と同じ内容を送付した。
数週間後、元の職場のスタッフから一言届いた。
「担当者が別の部署に異動になったらしいよ」
詳しい経緯は分からない。でも、感情的に動き続けていたら何も変わらなかっただろうとは思う。記録し、正しい窓口に届ける。
それだけのことが、確かに何かを動かした。腹立ちを直接ぶつけることをしなかったのは、むしろ正解だったのかもしれない。退職後にそれを知ったとき、胸の中でしずかに何かが解けた気がした。怒りではなく記録が、最後に力を持つことがある。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














